【優しい話】『ゴミ拾いばあちゃん』など短編10話【7】 – 心温まるちょっといい話 まとめ

【優しい話】『ゴミ拾いばあちゃん』など短編10話【7】 - 心温まるちょっといい話 まとめ 優しい話

 

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優しい話 短編10話【7】

 

 

1

子供を自転車の後ろに乗せて走っていた。
ぷっぷーとクラクションを鳴らして近づいてくる車があり
「?」と思っていると、若いお兄さんが
「結構手前で、お子さんの帽子飛びましたよ!」と教えてくれた。
自転車に乗る時はヘルメットをさせて、
帽子はゴムを手首にかけて持たせていたのだけれど、
うとうとしていたのと風が強かったのとで飛んでしまったらしい。
「すいません、ありがとうございます!」というと、
「なんも、知らせただけさ~おばちゃんが拾ってくれてたから
お礼はおばちゃんに言って~」と言って去っていった。

急いで来た道を戻ると、50代くらいのおばさまが
帽子を持ってえっちらおっちら走ってくれていた
「すみません、ありがとうございます!
私、車に乗った方から知らせてもらうまで全然気づかなくて…」というと、
「私はいいのよ~どうせこっちに用があって歩いてたんだから~
教えてくれたの○○に乗ったお兄さんだったでしょ?
あの人が知らせてくれなかったら、私は追いつけなかったと思うから
あのお兄さんにありがとうだね~」っと言って去っていった。

幼稚園の帽子でなくしてたら大変だったのですごく助かりました。
二人とも、もう一人に感謝してって同じ事言っていたのが、
さらに心があったかくなりました。

 

2

大量の雑誌をゴミ捨て場に抱えて持って行っていたら、私の紐の結び方が甘くてぶちまけてしまった。
必死で拾おうとしてたら、携帯で話しながら帰っていた男子高校生が「ちょっと待って」と電話の相手に言って、散らばった雑誌をさっと拾ってまとめてくれた。
そしてまた電話の相手に「あ、ごめんごめん」と言い、颯爽と行ってしまった。
かっこよかった。

 

3

実家から大量の野菜をもらって、コロコロ付きのトランクに入れて引いて持って帰った。
ただ、そのトランクがはんぱなく重く、平坦な道を引いて歩くだけでも、辛かった。

我が家は、エレベーターなしのマンションの四階。
マンション前までやっとの思いで辿りついて、四階までどうやって持って行こう…と考えてたら、読売新聞の配達のおじさんが、「何階?持って行ってあげようか」と声をかけてくれた。
「ありがとうございます。でも、四階なんで大変だからいいですよ」と断ると同時ぐらいに、「三階まで行くから、ついでに四階まで運ぶよ」と重いトランクを担ぎあげ、部屋の前まて運んでくれた。

読売新聞とってなくて、ごめん、おじさん。
でも嬉しかったです!

 

4

特別なエピソードがある訳じゃないんだけど、
近所に住むお婆ちゃんが凄く良い人。
毎日ゴミ捨て場や、学生専用アパートの周辺の掃除を丁寧にやってくれてるおかげで、
ゴミや雑草、落ち葉も全く無い。
学生が朝の通学途中にゴミを持ってやって来ると、
自転車から降りるのは大変だから、と受け取ってネットの下に入れてくれる。
冬に道路が凍ると、自宅の前だけでなく付近の道路も小さなシャベルで全部氷を割ってくれる。

今度機会があったらお礼を言って何か手伝いたい。

 

5

大学1年の時の話。
次の授業の教室に移動したんだけど、まだ前の授業がやっていたもんだから、教室の前にあるベンチで待ってたんだ。
まだ大学入りたてだったから、同じ学科の友達10人くらいで固まって。
その教室は駐輪場に面した2階にあって、その日は雨が降ってた。
そしたら、一緒に居た同じ学科の友達が急に階段を駆け下りてった。
他の友達は喋ってて気付いてなかったみたいだけど、オレは「どしたんだ?」って思いながら外に目をやると、雨の中傘もささずにそいつが飛び出してきた。
どうやら、駐輪場に自転車を止めようとした人が将棋倒しにしてしまったみたいで、傘を片手に苦戦していた。
雨に打たれながら自転車を起すのを手伝ってるそいつを見て、遅ればせながら慌ててオレも降りていったんだけど、オレが降りた頃には全部起こし終わってそいつが戻ってくるところだった。
そいつはオレが全部見てたのに気付いていないみたいで「雨が降ってるとつい打たれてみたくなっちゃわね!?」とかおどけてた。
同性ながら惚れてまうやろー!と思った。

 

6

見た目がちゃらいお兄さんがコンビニのドア足で引っかけて押さえててくれて助かった
この前も中学生くらいの男の子に気を使われた

親切な若者が多いのはよいことだな、と思うし感謝している

 

7

お食事中、お食事前の方は読み飛ばし推奨。

去年の年末に満員の急行電車で都心から帰宅する途中。
シルバーシートに座ってた品の良さそうなお婆さんが急に吐いてしまった。
それまでぎゅうぎゅう詰めだったのが嘘のように人が離れて、
お婆さんだけがそこに残された。
茶髪の兄ちゃんとかが「マジかよ!」「くっせー!」とか騒いでいて、
お婆さんは拝むようにして頭を下げてた。

俺は網棚にあった新聞を取って、床の吐しゃ物の上に重ねて広げて足で掃除を始めた。
ついでに手持ちの荷物を1つにまとめて空いたビニール袋を
「まだ気持ち悪かったら、コレに」とお婆さんに差し出した。
やっぱり、まだ落ち着いてなかったのか、お婆さんがゲーゲーしてる前で床の掃除を続けてると、
さっき騒いでいた茶髪の兄ちゃん達が新しい新聞を広げて手伝ってくれた。

次の停車駅で降りるお婆さんをエレベータまで送るついでに新聞紙をまとめて駅のゴミ箱に。
(すまん、本当はゴミ箱じゃなくて空きカン入れだったと思う。最近ホームにゴミ箱ないんだよね)
当然ひと手間掛かるので電車の発車には間に合わないと思ったんだけど、
振り返るとまだ発車してなかった。
俺が乗ったのは電車の最後尾だったんだけど、ホームに立つ車掌さんと目があって理解した。
(全部見てて、俺の事待っててくれたのかな)
急いで飛び乗ったら、同じ車両の人達がなんと拍手で迎えてくれた。

空気の入れ替えの為にみんなで窓を少し開けていると、車内アナウンスが
「先ほど車内で急病のお客様がおられた為、遅れて発車しております。云々」
再び皆で拍手(車掌さんGJという事で)

萌え系な女の子とか出てこないけど、俺的にはファンタジーな夜でした。

 

8

学生の頃、確かサークルの忘年会だったけど、前年度に卒業したよくかわいがってくれてた先輩も来てくれて
テンションあがって一次会からぶっ飛ばしてた。
「二次会行くぞ!」で店を出たのはいいものの、その時点で結構へべれけになってて、先輩を途中で見失った。
うろうろしてると、隣の筋を歩いているのが見えたので走って追っかけたんだけど、先輩の背中を見つけた後の記憶がない。
しばらくして、「お兄ちゃん、こんなところで寝てると死ぬよ!」と、おばちゃんが起こしてくれた。
道端の雪の中でぶっ倒れて寝てたらしい。体が凍えてなかったのは、酔って体温上がってたせいもあるだろうけど、
「しばらくして」と思った時間もほんの一瞬だったんだろう。
回らない舌でおばちゃんにかろうじてお礼を言えたはずだ。たぶん。
で、先輩を諦めて駅に向かって歩いたんだが、駅が見えたところでまた力尽きた。
そしたら、駅前のコンビニにいつもたむろしてるコワモテのあんちゃん達が、
「おい、おまえ大丈夫か?水持ってくるからそこ居ろよ!」
ってコンビニから紙コップで水汲んできてくれた。

田舎の国立大学だったんだけどさ、地元の進学率はそれほど高くなく、学生の半分以上は県外だった。
コワモテのあんちゃん達も鳶みたいな格好してて、コンビニ自体が少なかったのにうちらの大学の学生は
その駅前のコンビニに近づくこともあまりしなかったし、あんちゃん達も学生を見る目つきに敵意があった。

数日後にバイトで駅前を通ったとき、あんちゃん達にお礼言おうかと思ってコンビニに近づいたら、
いつものように「ぁあ゛?」って顔で睨まれた。
もっとも、顔も覚えてなかったけど、怯まずに「先日はありがとう」って言ってたら、なにか俺も変われたかもしれない。

この連休に久しぶりに卒業生で集まって駅で待ち合わせたんだけど、そのコンビニはもう潰れてなかった。

 

9

行きつけの飯屋さん主催の花見で初めて会った男の人。
見かけはジェロみたいな格好をしていた。
若くて明るいにーちゃんという印象だった。

そのうち花見に来てた子に「何歳?」と訊く。
5才と答えると「うちの一番下と同じだ!」と。
見た目で23才とかかなって思っていたのでびっくり。
話を聞くと一番上は18才、一番下は5才の全部で8人らしい。
「し…失礼ですがお年は?」と訊くと「30でーす」と。

勿論実子ではないとのこと。
仕事で出入りしていた私立の施設が
資金難その他もろもろで閉鎖されることになった。
もちろん、子ども達は無一文で投げ出されるわけではなく、
他の施設に入れてもらえることにはなっていたが、
一カ所に全員を引き取ってくれるという所は無かった。
それまで家族の様に暮らしてきた子ども達は
離ればなれになるのが本当に辛かった。
「どうにかして、離れずに暮らしたい…」
と一番年長の子に相談されて思わず
「じゃあ、ちょっと遠いけどそれで良ければ
俺の所に来いよって言っちゃったんだよね~」とのこと。

「俺に出来ること、無理なこと…それは事前によーく話したよ。
共同生活始めました~はいダメでした~じゃ困るから。」
口調は軽い感じだけれど、話すことはしっかりしてる。
「じゃ、そういうことで、ばんばん稼がないといけないんで、
明日も朝早いんですわ~」と言いながら帰って行った。
さわやかなにーちゃんだった。

 

10

自分が浪人生だった時の話。
当時、予備校まで電車通学していた。電車に乗っているときはよく単語帳眺めてたんだが、
そのとき隣に座っていた中年の女性が声をかけてきた。
どうやらその人のお子さんも今年受験生らしく、単語帳を見ている私とお子さんの姿がダブったんだろう。
ちょっとした世間話をした後、私が降りる時、受験頑張ってね、といってガムをくれた。
大したことではないのかも知れんが、受験でテンパってた私にはすごくうれしかった。

その後無事進学し、大学院まで進んで今は社会人としてやっております。
あのときのおばさん、ありがとうございました。

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