心が温まる『心霊の話』 百選 短編【91話 – 100話】
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いきろ
心の中で「死のう」と決めていて、死ぬ前に1番かわいがってくれたばあちゃんの墓参りに行った。
お盆の晴れた日の夕方だったんだが、墓石の前の玉砂利が濡れていたので「お盆だし誰か親戚が来たのか?」と思った。
濡れた玉砂利をよく見たら、おそらく水で「いきろ」と書いてあった。
死ぬのを辞めた。
今年の夏の話。
霊感あって良かった
俺は、霊感が強いほうだ、とりつかれておかしくなることもあった。
人が死んだ場所に行くとどういう人がどういう風にどんな気持ちで死んだかまで解ってしまう。
怖い目にもあったしハッキリ言って霊感なんかいらなかった。(親父は霊感強い。予知夢等)
そんな俺だが先月、親父が亡くなった。
親父は末期癌で血液中のカルシウムが急激に上がり痴呆のような症状も出ていた。
親父が死んだ時、後から俺が病室に行ったらおふくろが泣きながら「お父さんがし……」と言っていた。
おふくろの言葉を最後まで聞かず親父の所に行くと親父は冷たくなっていた。
もしもの時は感情殺してしっかりおふくろを支えていようと思っていたが、親父の姿を見て泣きじゃくって叫びまくった……
ショックでゲロ吐きそうになったのも初めてだった。
俺は頭が半狂乱になり長髪の為リングの貞子状態で泣きながらタバコを吸いに行った。
彼女と電話してまた泣いてタバコも吸って少し落ち着いて病室に戻る時、病室の少し手前で後ろに気配がした。
「○○君(俺の名前、親父はいつもこう呼んでいた。)あまり悲しまないで。」
病気になる前の元気な親父だった。
俺は「無理だよ、そんなの無理に決まってるじゃねえか。」と話した。
そしたら「お母さんと仲良く。○○君は一人前になって頑張って。△△(犬の名前)の事も可愛がってあげてね。親父の事は悲しまないで。」
って優しい親父の病気になる前の声だった。
病院で散々苦しそうにしてたけど、久しぶりに元気な親父の声が聞けた。
人間て霊体になったらその時の病気とかの苦しさなくなるんだなって思った。
この時ばかりは自分が霊感あって良かったと心底思えた。
俺の事心配で真っ先に来てくれたんだなって思った。
見守る親御さん
友達と話をしていたら親御さんが見守っているのを感じました。
お子さんに話とかありますか?と心で尋ねると
笑って口元に指を立てて「内緒」とされるイメージが来ました。
話が弾んで、亡くなられた親御さんの話になり
友達がどれほど親に感謝してて、大好きだったか、どれほど愛されてたかを感じました。
毒親と同居してて、振り回されて、幸せを自分から潰してるような自分にとって
本物の無償の愛をお裾分けしてもらってる気分でした。
あれこれして欲しいなんて言う霊はロクなもんじゃ無い!
本当に愛情に満ちている存在は決してでしゃばらず、おられるだけで穏やかな光とパワーがあるんだと知りましたよ。
友達のおかげで私も少しずつですが、自分を大事にすることを覚えた気がします。
迎えに来たおじいちゃん
おばあちゃんが死ぬ前日に起きた話で、
その日は親が用事で出かけてて、オレとおばあちゃんの二人っきりだった。
最初、おばあちゃんは介護ベットでぐっすり眠ってたんだけど急に起きて
「あのじいさん、私を迎えに来たよwあ~やだやだ…」
といって笑いながら夢の内容を話してくれました。
確か、家の居間でおじいちゃんとコタツに座り、お茶を飲みながら話をしたらしく
頑固で怒りっぽいおじいちゃんがやたら優しくなっていたらしく
『一人で寂しかったんだ。早く来いよ』
と、おばあちゃんに言って消えたそうです。
その後、一人残されたおばあちゃんは
「行ってもいいですけど、みんなにお別れぐらい言わせて下さいよ」
と言ったとたんに目が覚めたそうです。
そして、次の日の朝、おばあちゃんは冷たくなってました。
その時、おばあちゃんの机に遺言とは別の紙が置いてありました。
内容はこうです。
突然居なくなってしまって真にすいません。
最後にお別れの言葉を言おうとしましたが、どうも出来そうにないので
せめて、手紙だけでも残して置きます。
OOOさん
毎日、ご飯を作っていただきありがとうございます。
ウチのバカ息子をよろしくお願い致します。
OO
OOOさんには迷惑かけないように。
ちゃんと見てますからね。
蓮
私の面倒、ご苦労様。
その優しさを忘れないで下さい。
今まで本当にありがとう
と、書いてありました。
やべっ、涙出てきた…w
よく転ぶ階段
俺の親友は昔から何か幽霊的なものとかが見える性質。
一回俺の職場に来たときに階段見て「よくあそこで転ぶだろ」と言った。
実際よく転ぶ。職場の人間は一度は必ず転ぶ。
同僚達ともよく「絶対あれ幽霊いるよなww」「ほん怖みたく女の幽霊がいるんじゃねww」「坊さん呼ぼうぜww」と談笑していた。
良い機会だと思い親友に階段のところには何がいるのか訊いた。
親友「柴犬が伏せて尻尾振りながらこっち見てる」
その言葉を聞いてから階段付近に犬用のボール置いてる。
たまにボールが誰かしらの近くまで転がってくるので投げてやっている。
階段は「ちょっと通るよー」などと言うと転ばずに済む。
おかげで最近はほとんど怪我しない。
誰の犬だろうと思ったら同僚が社会人になりたての頃には亡くなった愛犬だった。
柴犬飼ってたのそいつだけだったし、よくそいつのところにボールが転がる。
坊さんを呼ぶ気は今のところ無い。
でもいつかちゃんといくべきところに行ってほしいな(´・ω・)
猫の声
猫と言えば、俺の考えすぎかもしれないけど、1週間ほど前に体験した不思議な体験を書かせてください。
先週、自転車で転んで怪我をしてしまった。
転んだ所に氷の塊があって、それが肩にグサリ。
なんか知らないけど、痛みはないのに意識がもうろうとしていて、何とかして「家に帰ろう」と思っても、
めまいと吐き気がして立てない(なぜか病院より、何とかして家に帰ろうとしていた)。
動くに動けずにうめいていると、耳元で「にゃー」と猫の声がしたような気がした。
ぼんやりと「ああ、久しぶりだな……」と思ったような気がする。
しばらくすると、俺が倒れている近くの家から、おばちゃんが出てきて、救急車を呼んでくれた。
幸い、肩は8針ほど縫う怪我が済み、あばらのヒビと打撲だけで事なきを得た。
先日、救急車を呼んでくれたおばちゃんにお礼を言おうと夜に伺うと、そこでおばちゃんは、
「外で沢山の猫が鳴いていたのよ。それでどうしたのかしらー?って」
なんて言うんだけど、俺も猫の声は聞いていても、猫の姿は見ていない。
おばちゃんも外に出ると、猫の鳴き声は聞こえなくなったと言っていた。
俺の耳元で聞こえた猫の声は、今思うと、以前に飼っていた猫が、俺が子供の頃に親にしかられて泣いていた時、
すり寄ってきた時の声に似ていたような気がする。
俺はあまり幽霊とかは信じないけど、見てくれているのかな?とちょっとだけ嬉しくなった。
全快したら、ご先祖様と猫の墓にお礼言いに行って来ようかな。
死のうとすると浮かぶ顔
2、3年前の話…
当時私は精神的に追い詰められていて、死ぬ事ばかり考えていました。
同棲していた彼氏も居て一生懸命力になってくれていたのですが、やはり死ぬ事ばかりを考えていました。
ある日彼氏が仕事中に家で首を吊ろうと決心して、マンションのベランダの物干し竿を通すとこにロープを通ししっかり結んで首を入れました。
座って首をつる状態なのでロープ(買ったばかり)に急に負荷が掛かる事は無いのに、突然ロープがブチンと切れ、ふいに両親の顔が浮かび、大声で泣きました。
その日は死ぬ事を辞め、ただひたすら親(両親健在)の事を思って泣きました。
後日やっぱり死にたくなって、彼氏が泊まりの出張中(結構遠いとこ)に行ってる間に睡眠薬を40錠位飲んだあたりで猛烈に苦しくて気持ち悪くて、
自分でしでかした事とはいえもう助けて欲しくて仕方なかったのに電話もかけれない状態で、
このまま死ぬのかと思っていたら急に彼氏が帰ってきて救急車を呼んでくれて、2日入院して退院出来ました。
その時も両親の顔がずっとうかんでました。
それから死ぬ事は辞め、薬(安定剤)等に頼る事も止め、やっと立ち直る事が出来、 今となっては当時の事を思い出すのも恥ずかしいのですが、
先日ある人に手相を見て貰った時に、どの位生きられるかと聞いたところ、
「あなたはお祖父様やお祖母様にとても守られてるので、寿命を全うするまでは、絶対に死にませんよ、長生きしますよ」
と言われました。
私の両親は父が養子で、母が幼い頃に両親(母親の)を亡くしているので、私は血の繋がった祖父母と触れ合った事もないし、顔を見た事もありません。(母親は火事にあって写真が無い)
その方に
「両親の祖父母は見た事もあった事も無いけど、以前自殺未遂を二度した事があって、その度に失敗した時に両親の顔が浮かびました」
と言ったら
「お祖父様やお祖母様はきっとご両親の姿に変えて、あなたには私達がついて居ると言いたかったんだと思いますよ」
と言われました。
それまで世間一般に言われる、おじいちゃんおばあちゃん話を聞いて皆はいいなぁと思っていたけど、私にも守ってくれてるおじいちゃん達がいたんだと思って、感謝しつつ嬉しくて泣きました。
ちなみに当時迷惑をかけた彼氏は今は旦那になったのですが、例の出勤の時、夜中に胸騒ぎがして同行していた上司に無理を言って車をかっとばして帰ってきたらしいです。
長くなってしまいましたがこれが私の体験談です。
両親と祖父母と旦那に感謝しつつ終わりとさせていただきます。
白い服の女の子
当時、俺は精神的に荒んでいて、よく大型バイクをかっ飛ばしたりしていた。
その日もバイクで走っていたのだが、広めの幹線道路は渋滞してた。
そこで、道の左端をすり抜けて進んだ。
それなりに運転技術もあったし、どうなってもいいやという気持ちもあり、危険だはと知りながらそれなりのスピードを出していた。
そして、渋滞している車が途切れている所へ来た時、対向車線からファミレスに右折する車に、右側から当てられたんだ。
車も急いで右折してスピードがあった為、かなりの衝撃だった。
今にして思えば一瞬のことだったが、妙なスローモーションを見ている様な感じで、バイクに乗ったまま、俺は電柱が正面に迫ってくるのが見えた。
その時、何か白いものが横から飛びかかってきて、俺はそれに抱きつかれる様な感じでバイクから落ちて、道の脇にある歩道に転がった。
転がるのが止まって、歩道に仰向けになっていると、その白いものは俺の体から離れた。
……それは白い服を着た女の子だった。
その女の子は「ふぅ」とため息を一つつくと、「あぶなかったね」と微笑んだ。
そしてスッと消えた……
俺があまりの事に呆然としていると肩を軽く叩かれ、耳元で「あまり無茶をしちゃダメよ」という声がした。
でも振り返っても姿はなく……
そうしているうちにぶつかった車の人が降りてきて、救急車が来て、病院に運ばれて……と。
俺は足に軽い打撲があっただけで、ほとんど無傷だった。
事故の大きさと比べると、奇跡的といっていいぐらいに。
俺のバイクは電信柱にぶつかり、グチャグチャに壊れていた。
後に警察に事情聴取に行った時、警官から言われた。
「よくバイクから飛び降りられたな。そのまま突っ込んで、悲惨なことが多いんだが……」と。
実は俺は飛びついてきた白い服の女の子を知っていた。
その事故の三年ぐらい前に交通事故で亡くなった、俺の婚約者だった……
病院で息を引き取る時の最後の言葉。
「愛している、ずっと見守ってる」
その事が鮮明に思い出された。
実際のところ、俺が見たのは幻覚なのかもしれない。
でも、事故の時に着ていた皮のジャケットが警察から戻ってきた時、歩道と擦れて傷だらけになった背中の部分に、細い腕と小さい手の形で、無傷の部分がくっきりと残っていた。
彼女を失って、自暴自棄になっていたのが続いていたのだが、その事故があってから、ちゃんと前向きに生きなければ、と思った。
身代わりになったコロ
怖い話系の漫画に投稿して、昔かるく漫画にもなったものです。
そもそも私が見えるようになったきっかけと思われることが、六歳の時に高熱を出して倒れたんですよ。
母方の祖父が危篤になり、私は最初はなんてことない風邪だったとの話ですが、具合が悪いからと家で留守番。
なにかあったら隣の方によろしくお願いしてあるからと、両親と兄達は田舎の病院へ。
その時期、近所に住む父方の親戚からマルチーズ犬を預かってました。
別件で一週間不在だから預かってくれと頼んできた。
名前はコロ。
親戚の家は近所でよく遊びに行っていたので、コロも私に懐いていました。
で、風邪を引いて三日目。
食事とかは作りおきしてあったのですが、初日から食欲が無い、吐いてしまうなどで、ほとんど摂取出来てませんでした。
電話なんか当時は使い方の判らない子供だったし、まして携帯など無い時代、電話がかかってきた時も、心配かけまいと平気と言ってしまった。
隣の方を訪ねたら、ちょうど不在でした。
それで、具合も悪いからと眠りについたんですが、気がついたら寝巻きで草原に立ってました。
夢かな?と、草原を私は目的地も方向も定めず歩いていたのですが、しばらくしたらコロの吠える声がし、コロが駆け寄ってきました。
普段は私に吠えないし、しかも寝巻きを噛んで引っ張ってきました。
仕方ないなぁ、そっち行きたいのか?とコロの引っ張る方へ歩いていくと、気がついたら近くの病院のベットでした。
後から聞くと、コロが余りにも騒いでるので、隣の家の方が入ってきてくれた。
すると私がいくら問いかけても反応ないほど衰弱していて、熱も四〇度だった。
いそいで病院に連れていってくれて、両親にも連絡を取ってくれました。
結局私は、数日入院して退院しました。
ちなみに祖父は、その時は持ち直したのですが、半年ぐらいして亡くなりました。
それから暫くして、コロがまだ老犬でもないし事故でも病気でもないのに急死しました。
小さいながら私は、コロに命を貰ったのだな思いました。
時は流れ、十八歳の時。
起きたら幽体離脱してました。
そして目の前には、自称死神がいました。
感じとしては、ベタなデザインの死神の顔がちゃんと人なだけです。
その自称死神が、
「お前は本来、もっと前に亡くなってる。調べによると犬が身代わりで亡くなってるが、犬の寿命考えればそろそろ期限切れだ」
と迫ってきたんですよ。
冗談じゃないと抵抗して、自称死神を殴り飛ばしたんですよね……
そしたら自称死神は、
「普通、死の宣告されて、死神殴り飛ばすほど胆座った奴は居ないぞ。今回、というか俺は見逃してやる。せいぜい、他の死神に殺されたり、悪い霊に殺されるんじゃないぞ」
と死神は消えて、私は自分の体に重なってみたら元に戻りました。
……とまぁ、自称死神なのか悪霊なのかを殴り飛ばした、そんなまさかな霊体験でした。
親友の弟さん
1年ほど前、親友の弟さんが亡くなった時のことです。
弟さんとはあまり付き合いはなく、メッセに上がってきた親友に挨拶したら実はPCを共有していた弟さんだった、ということが数度あった程度。
親友が実家を出て一人暮らしを始めてからはそういうこともなくなり、実際顔を合わせたのは数年前に1度だけで、もし街中ですれ違ってもお互い気がつかないだろう、というレベルでした。
だけど、親友と弟さんはすごく仲が良かったし、訃報を聞いて彼女のことが心配でとりあえずお通夜に飛んでいきました。
取り込んでいて、彼女と言葉を交わすことはできなかったけど目が合った時に口パクで『ありがとう』と言ってくれたのを見て何となく少し安心しました。
ご両親は泣き腫らした顔をしていて、親友自身ももちろん疲弊していたけど、「自分がしっかりしなきゃ」と頑張っているように見えました。
何しろ弟さんとの関係は深くなかったので、お通夜の席では泣いたりはしなかったけど何だかひどく疲れて、なんかふわふわした非現実的な感じを味わいながら帰宅。
でもその夜、食欲もなくベッドに倒れこんだ瞬間、いきなり嗚咽がこみ上げてきました。
家族が心配して部屋を覗きに来るほど大声で、長いことわんわん泣いて、頭の隅っこで
「なんでこんなに泣いてるんだろう」とか考えてたけど止められなくてそのまま眠ってしまいました。
そして見た夢。弟さんが現れました。
彼は私に「すみません。姉ちゃん、すごい参ってるから…姉ちゃんを頼みます」と頭を下げました。
私が「わかったけど、私じゃなくてA子(親友)のとこに行ってあげなよ」と言うと、彼は困ったような苦笑いで「いや、そう思ったんですけど…」と言葉を濁し、
「じゃあ、俺もう行かなきゃいけないんで。ほんとすみません、姉ちゃんをよろしく。あいつ、なかなか人前で弱音吐けないんで、無理してると思うから、お願いします」ともう一度頼んでどこかへ行きました。
目が覚めて、また泣きました。生前、メッセで話した時にも「姉ちゃんの一番の友達の人でしょ?よく話し聞いてます」とか言ってくれていて、
あまり面識はなかったけど「大事な姉を任せられる友人」として認めてくれていたのがすごく嬉しかったです。
先日、親友にこの話をしたところ「ほんとに、私のところにまず来いって…薄情もん」と笑いながら言っていたので、行かなかったみたいです。
自分が行ったら余計辛い思いをさせる、と思ったのかな?わかりませんが。
気丈に振舞っている親友を見て、安心半分心配半分だったからこういう夢を見たんだろうな、とも思いますが、やっぱり弟さんに信頼してもらえているような気がしました。
今も時折「○○くん、君のお姉さん頑張ってるよ」とか心の中で呼びかけてます。
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