心が温まる『心霊の話』 百選【短編 71話 – 80話】 – 実話 体験談まとめ

心が温まる『心霊の話』 百選【短編 71話 - 80話】 - 実話 体験談まとめ 心が温まる話

 

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心が温まる『心霊の話』 百選 短編【71話 – 80話】

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一緒に大きくなっている

私の友達、Sには、生まれられなかったけれど、本当ならお兄ちゃんがいた。

Sの家族は、今でもそこにお兄ちゃんがいるように話して、姿は無いけど家族みたいに扱っているらしい。
Sはたまにその話をすると、「せめて顔くらいは見たかったなぁ…」と涙ぐむ。

以前、怖い話大会みたいなことを、みんなで輪になって話していて、Sのお兄さんの話になった。
それを聞いたK(彼女はSのお兄さんのことをしらない)が、ぽつりともらした。

「そうなんだ。どうりで…」

Kいわく、Sの後ろにはいつもお兄さんがいて、Sと一緒に大きくなっているのだとか。

「見えないけど、ちゃんといるんだ」
と、Sはまた泣いていた。

 

 

足元で尻尾を振る子犬

高校時代によくつるんでいた友人Aは、超がつくほど愛犬家だった。
ある日Aと歩いていると、

A「この犬可愛いな~~」
俺「どこにいるんだよ」
A「そこにいるじゃん」
俺「どこだよ?」
A「お前の足元に犬が2匹いるじゃん」

もちろん俺の足元には犬はいない。
でもAは俺の足元にいる(はず)の犬に向かって可愛いと言っている。

A「柴犬の子犬だ。かわいいよ」
と、Aが言った時ふと思い出した。

小学生のころ2匹の子犬を拾った。
病院に連れて行ったがかなり衰弱してた。
俺は付きっ切りで看病した。でも手遅れだった。
そいつらは柴の子犬だったんだ。

A「前から言おうと思ってた。いつも2匹はお前の傍にいるんだ」
どうやらAは「見える」人間だそうで、前から犬の存在を言うべきか迷っていたらしい。

見えない子犬たちを撫でる仕草をしてみた。
Aは子犬たちが楽しそうに尻尾を振っていると言った。

その後Aとは別々の大学へ進学し、滅多に会わなくなったが、この前数年ぶりに再会した。
今でも2匹は俺の後ろで尻尾を振っているらしい。

 

 

家やるぞ~

心霊ちょっとうらやましい話。

嫁の実家の家は築10年くらいの広い立派な家。
但しローンはたんまり残っている。

嫁のお祖父さんは一昨年に亡くなっているのだが、
ある時、嫁の母親の夢枕にお祖父さんが立ったそうな。

笑いながら、「家やるぞ~」って。

嫁の母親は、家ならもうあるけど?と思ったそうだが、
後日、お祖父さんの遺産が入ってきて、
それがなんとローン残高ぴったりだったらしい。
それでローンを完済できたそうな。

うちも今年家買った。
お祖父さん、俺のところにも来てちょ。

 

ばあちゃんの電話

俺の大好きなばあちゃんが死んだときの話。

夜中に両親がばあちゃんが危険な状態になったっていう連絡を受けて、急いで病院に行った。
俺や兄貴たちは次の日学校があるので、もしもの時のために電話をそばに置いて寝ることにした。

30分くらいして、電話が鳴った。
もしかしてと思って電話のところまで行くと、兄貴がその電話をとっていて「もしもし、もしもし?」と何度も言っていたが、何も言わない。

イタ電だと思って受話器を置くと、またすぐに掛かってくる。そして何も言わない。
それが5回くらい続き、無言電話は来なくなった。

それから1時間くらいしてから、両親が帰宅。
両親は帰ってくるなり、「どうして電話にでなかったんだ!」と大激怒。

話を聞くと、ばあちゃんが息をひきとってすぐに電話をしたところ、ずっとお話中。
何度もかけたが、つながらないため帰ってきたという。

孫のなかでも一番俺たち兄弟を可愛がってくれたばあちゃんは、すぐにさよならを言いに来たんだなぁってすぐに思った。

それと同時に涙があふれてきた。ばあちゃん毎日電話してきたもんなぁ。
厨房だった俺はばあちゃんの電話をウザくおもってたけど、もうその電話の声も聞けないと思うとすごく悲しかった。

大学生になった俺にまた電話してきてくれないかなぁ。いろいろ聞かせたいことがあるのになぁ。

 

 

お葬式でチューリップ

小学校の時に同じクラスの男の子が死んで、お葬式で一人一つチューリップの鉢をもらいました。

窓辺に飾って世話をしていると綺麗なチューリップが咲きました。

その日の夜に死んだ男の子が夢に出て来て

「今までありがとう」

と言われて消えました。

起きたらチューリップは枯れてました。

これ以来霊が怖くない。

 

 

穴場の海水浴場

兄貴が大学生の時の話なんだけど、サークルのメンバーと海に行ったんだって。
けっこう穴場なスポットで海岸と砂浜の境目みたいな場所だったんよ。
穴場っていっても一応海水浴場だしライフセイバーももちろんいる。
普通に地元の子供達も泳ぎに来ていてあるていど込み合ってもいたんだ。

そんで皆で泳いでいると、沖のほうに出ていたゴムボートが波でひっくり返されて
中に乗ってた子供達が投げ出されちまったみたいなのよ。
その時それに気がついたのはその海で兄貴とサークルの先輩のうち一人の二人だけだったんだって。
んで先輩と二人で子供達を助けに行ったんだって。

でもそのガキどもが馬鹿ばっかりでパニックになって暴れたらしいのよ。
まあ一応6人(?)の子供達は全員無事だったんだけど、先輩が最後の子供を助けてすぐ倒れちまったんだって。
子供達を助けて体力を使い果たしてて、さらになんかヤバイクラゲに刺されちまってたらしいのよ。
で救急車で運ばれたんだけどショック症状起こして死んじゃったんだって。

その死んじまった先輩ってのが本当にいい人で、正義感の塊みたいな感じの人だったんよ。
サークルの皆もなんで馬鹿なガキどものせいで先輩が死んじまったんだって泣いてたって。
兄貴は家に帰ってきてからも泣いてた。

で次の年の命日にまたサークルのメンバーで海に行ったんだって。
んで花束を海に投げ込んで帰ろうとしたら、何か砂浜が騒がしくなってたんだって。
近くの崖から足滑らせて落ちた女の人が流れついたんだって。
かなりの高さの崖だったにもかかわらず怪我はかすり傷程度で意識もハッキリしてたんだと。

んで、うわごとみたいに
「海に落ちたら男の人に手を捕まれて岸まで運ばれた」
って言ってんのよ。で、さらにそこのライフセイバーが
「一週間前に溺れた子供もお兄さんに助けてもらったって言ってたんだよなぁ」
とかいって首をひねってたんだって。

まさか!と思って話を聞いてみると、それが死んじゃった先輩の特徴とピッタリ一致するんだって。
偶然かもしれないけど
「先輩は死んでもその海で人を助け続けてるそう思いたい」
って兄貴は言ってる。
んで今も夏になると花持ってその海に行ってる。

今思うと兄貴いつかは先輩と同じことになりそうだな。
俺がしっかり見ておかないと……笑えねぇ……。

 

 

のんびりした午後に

何年か前の夏の話です。
その日は、夏休みで実家に帰っていました。

高台に立つ団地の3階で、エアコンも要らないほど
風通しが良い部屋で、贅沢に昼寝をしていました。

少し日が陰って来たころに目が覚め、外をボーッと眺めていると
自転車に乗った人の良さそうなオジサンが釣竿を担いで
窓の外の坂を昇っていました。

「今日も暑いねー」とオジサン
「そうねー、これから釣りですかー?」
「まぁねー、釣れるといいんだけどねー」
「まだ暑いから気をつけてー」

そんな他愛の無い会話をして、オジサンを見送りました。

そして、気が付いたのです。
ここは三階だってことに……。

でも、不思議とのんびりした午後にピッタリの風景でした。
恐怖も何も無く、何だかクスリと一人で笑ってしまいました。

オジサン、魚釣れたかな?

 

 

匂いだす助手席

俺は中古車ばかり乗ってて初めて新車買ったのは7年前、ボルボ買った。
納車になるまでワクワクして、自分の婆ちゃんに車が来たらカミさんより真っ先に一番に婆ちゃん乗せるからねと何故だか宣言した。

で、納車して約束通り家の周りのトンネルとかグルグルドライブした。
婆ちゃんは「乗り心地がフワフワしてていいねえ、高級だねえ」なんて言ってすごく喜んでた。

それから数年、一昨年婆ちゃんが亡くなるまで色々面倒みてた、何度も「あれは嬉しかった」と言ってた。
最後にSOSの電話がかかって駆けつけた時も苦しそうに「いい車だから早く来てくれて驚いた」と言ってた。

そして亡くなった。

俺は嫌なことがあると一人で車に乗り助手席のもういない婆ちゃんに向かって叫ぶように話しかける。
するとたまに匂いだす、あの心地よい加齢臭と昔住んでいた家のカビ臭い香りが。

気のせいじゃなくて本当に匂う。
どうせなら声を聞かせて欲しい。

あ~書いてて泣けて来たわ。

 

なでてくれるおばさん

最近あった不思議な話を書きます。

娘が最近よく同じ夢を見るそうです。曰く

「知らないおばさんが○○、○○って私の名前を呼んでなでようとする。
足が痛かった日は足をなでてくれて、頭が痛かった日は頭をなでてくれる。
別に怖い感じはしないからいいけど」

特徴などを聞いて、私の母の写真を見せたら、やはりそうでした。

母は私が高2の時失踪したので、娘(孫)を見たことないはずなんです。
当然娘も祖母の顔など知りません。

生きているか死んでいるかすらわからない人ですが、孫を心配でもしているんでしょうかね…

 

 

石のとこのじぃちゃん

今年のお盆(まさに8月15日)に私の実家の墓参りに行ったときの話。

一通り済ませてさあ帰ろうか…とお墓を後にして帰ろうとした時。
我が家の2才半の娘が実家のお墓に向かって、「ばいばい」と手を振りました。

娘にはお墓がどういうものなのか、まだ教えた事がなかったので
旦那と二人、顔を見合わせながら駐車場の車まで戻り、さあ発車というとき
娘が「じいちゃん一緒に行かないの?」と一言。

その後実家へ到着し、仏間で一族のみんなと挨拶を済ませ、振り返った時、
娘「あっ、石のとこのじぃちゃんいた!」と指差したのは
もう15年も前に亡くなった、私の大好きだったじぃちゃんの遺影だった。

そこには歴代の一族の遺影が他にも10枚以上まつられているので、試しに他の写真を指して
「このじいちゃんじゃないの~?」なんて聞いてみても、
「違うこっち!」と。

じいちゃん、今度実家に帰ったら、好きだったバターご飯(炊きたて御飯にバターと醤油を混ぜたもの。私も好きだが)まつるからね。

 

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心が温まる心霊の話 11話 – 20話

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