じいちゃんっ子だった俺
感動とかじゃないかもしれないけど、後悔してることがある。
誰でもいいから聞いて欲しいんだ。
俺はちっちゃい頃からじいちゃんっ子だった。
幼稚園からかえってきたら真っ先におじいちゃんの部屋に駆け込んで
一緒にテレビ見たりとかおもちゃで遊んでもらった。
週に3回ぐらい、、近くの踏み切りに行って電車を見にいってた。
電車が好きなわけじゃないんだけど、大きなものがすごいスピード
通り抜けてくのをみるのがすきだった。
幼稚園時代で憶えていることといえば
じいちゃんと遊びに行ったりとか、じいちゃんの思い出しかない。
そんなじいちゃんなんだけど、おれが小学校5年ぐらいから体調を崩してしまった。
前に治療したのが再発?だかになってしまったらしく、手術することになった。
何の病気とかよく分らない。はっきりと聞かされなかった。
そのときは手術成功したんだけど、家に帰ってきたじいちゃんは
前よりほんのちょっとやせたような気がしたけど、すごく元気で、病気にかかった人にはみえなかった。
だけど、おれが中学校に入ってしばらく、体調がすぐれないなどの理由で入退院を繰り返すようになった。
たまに家に帰ってくると、「ただいまぁー!!!」って
俺の顔をみるとニタァーってわらうんだ。
だから俺もニタァーって笑いかえすんだ。すっごい嬉しくって。
でもそれからしばらくして、じいちゃんはまえより家にいることが少なくなり、ほとんだ病院生活をおくるようになってしまった。
部活が忙しかったおれはなかなか会いに行くことも出来なかった。
たまたま部活がない日に、母親に「じいちゃんの見舞いいっていい?」とかきいても
「今日は面会できないよ」となんかいもいわれ続けた。
今思えば、母親はおれがショックを受けないよう、じいちゃんに会わせなかったんだとおもう。
そんなある日、じいちゃんは病院で小火騒ぎを起してしまった。
ぼけてしまっていたのか、タバコのひをベットのシーツで消そうとしたらしい。
それが問題で、じいちゃんは退院させられてしまった。
その頃初めて母親にきかされた。「おじいちゃんね、もうながくないの。」
おれはそれを聞いたとき俺は「そんなことないでしょ。」と自分に言い聞かせてた。
現実を受け入れなきゃいけないのに、それが怖かった。
でもじいちゃんはどんどんよわっていった。自分で歩くのもやっと、食事もろくに出来ない、
ほとんど寝たきりといってもいい状態だった。
隣のへやでじいちゃんが転んだりすることがあった。
そのときおれは、行かなきゃいけない!!!とはおもってたけど
怖くて怖くて何も出来なかったんだ。兄貴がいつも助けてた。
何も出来ない俺に腹を立てる毎日だった。
あの日のことはしっかり憶えている
中2のゴールデン明けの学校。3時間目くらいに地震があった。
みんなで「地震だ!!!」って楽しそうにわらってた
給食の時、学年主任がきて、俺の呼んだ。いろいろやんちゃしてたおれは怒られると思ってびくびくしてた。
「おじいさん、亡くなったって。」
先生の第一声をきいておれは「ぇ?・・・」って感じだった
給食がおわったらすぐに家に帰りなさいっていわれた。
でも給食が終わったあと、着替えなくてもいいのに、友達と一緒にジャージに着替えた。
先生の言ったことが信じられなかった。信じたくなかった。
さっきのはおれの変な夢だって自分に言い聞かせた。
でも現実は変わらない。
先生に「早く帰りなさい」っていわれた
ショックだった。急がなくてもいいのに家まで走ってかえった。
いえの手前まで来ると、うちに車が難題も止まってるのが見えた
親戚のおばちゃんたちがいた。
いえに入るのが怖かった。俺はそのまま、小さい頃一緒に電車を見に行った道を意味もなく歩いていた。
なんか目の前に、あのときの映像が流れるんだ。
家に帰った。親戚のおばさんが「帰ってきたの・・・おじいちゃんに会ってきなさい」って。
白い布団でねてるじいちゃんの枕元にすわった。
すごい優しい顔をしてた。また目を覚まして、「お帰り」っていってくれそうな気がした。
もちろんそんなことはなかったけど。
手をあわせて、2階の自分の部屋に駆け込んだ。
次の日まで、飯も食わずに部屋にこもった。
通夜のとき、俺は一番後ろにすわってた。まだ信じたくなかった。
ずっと下を向いて、悲しくないふりをしてた。
棺に眠るじいちゃん。やっぱりいい顔をしてる。鼻が高くすらっとしている。
おれの鼻がたかいのはじいちゃんゆずりだと両親に言われている。
花添えるときに、3歳ぐらいの男の子とお母さんの会話が聞こえた。
男の子 「おじいちゃんねてるのぉ?」
お母さん「そぉだよ。ねんねしてるんだよ」
男の子 「ねんね、ねんね」
お母さん「おじいちゃんにおやすみっていうんだよ?」
男の子 「おじーちゃんおやすみ」
その会話を聞いた瞬間
なみだがあふれた。声を出してないた。
大勢の前であんなないたのは初めてだった。
自分に腹をたてた。なにもできなかったじぶん。ちっちゃい時お世話になったのに、自分はなにもできなかった。
喋ることすらなかった。残ったのは後悔ばかりだった。
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