『私にできること』など短編5話【5】 – 感動する話・泣ける話まとめ

『私にできること』など短編5話【5】 - 感動する話・泣ける話まとめ 感動

 

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感動する話・泣ける話まとめ 短編5話【5】

 

 

私にできること

100mほど離れたところに駐車場があり、そこにいつも車を停めていました。
その駐車場には、いつでも元気で明るい、60歳を過ぎたばかりの管理人の
おじさんが働いていました。
年齢に似合わずシャキシャキとした行動で、手際よく仕事をこなします。
毎日のように顔を合わせていましたが、いつもおじさんは明るい笑顔で
挨拶をしてくれました。

「おはようございます!今日も天気で、いい一日ですね!」

以前は大手企業で働いていたそうです。
その会社を定年になって退社し、家が近くにあるというだけの理由で、
駐車場の管理人の仕事を始めたということでした。

ある朝、急に雨が降ってきました。
その時、傘を忘れたことに気がつきました。
駐車場について、車から出ることもできずに、
どうしたものかと考えていたところに、管理人のおじさんが走りよってきました。

「傘、忘れたんじゃない?ちょうど、今降り出したばかりだから。これ、持っていきなよ」
といって、自分の持っている傘を差しだしてくれたのです。
「でもこれっておじさんの傘じゃないの?」
「私のことを気にすることはありませんよ。とにかく持っていってください。」

自分の傘をお客さんに渡して、 自分は濡れて帰ってもいい。
普通はなかなかそんな風に考えることはできないと思います。
管理人のおじさんは、いつもこんな調子で自分のことよりも
お客さんのことばかり考えてくれるような人でした。

その駐車場はいつも満車の状態でした。
他の管理人さんは、 満車になると小さな管理人室で
本を読んだりしていましたが、
そのおじさんは 駐車場の前に立って申し訳なさそうに、
「満車です、申し訳ありません」と深々と頭を下げて謝っているのです。
中には、苦言を呈する人もいます。
でも、 必ずその車が見えなくなるまで、深々と頭を下げ続けていました。
「何も、あそこまでしなくてもいいのに」と思っていました。

そんなある日、
いつものように車を停めようとしたとき、
いつもと違う表情でおじさんはやってきました。
「実は、今週いっぱいで仕事をやめることにしました。
妻が、肺を患っていて、空気のきれいなところで
のんびり暮らすことにしたんですよ。いろいろお世話になりました・・・」

お世話になったのはこっちのほうですよ、と何ともいえぬ寂しさを覚えました。

今日が最後という日、ちょっとした感謝の気持ちで、
おじさんに手土産を持っていくことにしました。
そして、 駐車場に着いたとき、 信じられないような光景を目にしたのです。

小さなプレハブの管理人室には、 色とりどりの花束が
いっぱいに積上げられていて、 中がまったく見えません。
さらに、 管理人室の横には、 置ききれなくなったプレゼントが
たくさん積み重ねられています。
それは2列にもなって。

駐車場は、たくさんの人でごった返し 感謝の声が聴こえてきます。
「いつも傘を貸してくれてありがとう」
「あのとき、重い荷物を運んでくれて助かりました」
「おじさんに、挨拶の大切さを教えていただきました」
次々と写真を撮り、 握手をして、感謝の言葉を告げています。
最後の列にならんで おじさんと話す機会を持ちました。

「おじさんには感謝しています。おかげで、毎日気持ちよく
仕事を始めることが出来ました。いなくなってしまうなんて残念です・・・」
「いいえ、私は何もしていませんよ。私にできることは、挨拶することと
謝ることくらいですから。
でも、いつも自分がやっている仕事を楽しみたい、そう思っているだけなんです」

 

お兄さんの愛車

今日、念願のバイクを納車した。思い出の一台、カエル色のZZR400。2年前、大学受験で地元から出てきた俺は、不慣れな土地で違う電車に乗り込んでしまい、
気づいてすぐ最寄りの停車駅で降りるものの、位置状況がさっぱり分からない。
混乱しつつ駅員捕まえてしどろもどろに事情を説明していると、
「どうかされました?」と声をかけてくれたお兄さん。半分泣きながら説明すると、

「場所分かる?学校の名前は?」
「何時から?向こうに誰かいる?」
「分かった。ついておいで」

そう言って駅から駐輪場まで連れ出され、そこには鎮座ましますお兄さんの愛車、渡されるヘルメット。
「乗って。俺の腰に手をまわして」
走り出すバイク。車をどんどん追い抜いて、これだけのスピードも風も生身で受けるのは初めての経験だった。

20分前に受験予定の学校に到着。先生らが校門の所でソワソワして待っててくれた。
先生ともども、お兄さんに感謝感謝。
「気にしなさんな。本来遅れる試験に間に合ったんだ、こっから逆転だ!受かるから!頑張れよ!」
って親指立てて励ましてくれた。
名前とか尋ねたんだけど、
「本番前にいらんモノ頭にいれなくていいよ」と言って走って行かれてしまった。

お陰さまでその大学に無事合格し、バイト代貯めて近所の中古屋に探して貰った同じ色のZZR400。
俺も今日からお兄さんの仲間入りします。どこかで会えたら嬉しいです。

 

 

近所にある駄菓子屋

近所に昔からある古い駄菓子屋がある
経営してるのは、お婆ちゃん一人だけ(お爺ちゃんは5年ほど前に病気で亡くなってしまった)
いつもニコニコしていて、とても優しいお婆ちゃんで
お金が無い子にはコッソリ駄菓子をあげていた(オレも昔もらった)
そんな感じで近所の評判がとてもよかった

ある日、お婆ちゃんが893に罵声を浴びせられてた
なんでも亡くなったお爺ちゃんに少し借金があったらしく、コツコツ払い続けて
完済したはずなのに更に80万請求され、払わなかったら立ち退いてもらうと脅されたらしい
お婆ちゃんのピンチにまわりが黙ってられるはずもなく、3丁目の人々が一致団結
集会を開くまでに至り、893が来たときに駄菓子屋の前に整列、そして猛抗議

オレは学生だったので様子を見守ってたが、あれは圧巻だった、30人ほどが声張り上げてるんだもの
893もはじめはなんか言ってたが、すぐに戦意喪失、スゴスゴと引き上げてった
お婆ちゃんは泣きながら、ありがとう、ありがとうとずっと言っていた
そんなお婆ちゃんは今日もお店でニコニコしている、長生きしてもらいたい

 

 

笑わそうと

今日はイライラカリカリしすぎて煮詰まって泣いてしまった。
すると9ヶ月息子が一生懸命足を触ってた。
なんだろうと思っていたが、
どうも、いつも足をくすぐると自分が笑うので、
母の足をくすぐれば母も笑うと思ったらしい。
可愛くて、けなげすぎて、また泣けてきた。

 

 

工作して遊んでると思ったら

6歳長女。
昨日、なにやらチョキチョキペタペタ工作して遊んでると思ったら、
「ノーベルお母さんしょう」「ノーベルお父さんしょう」「ノーベルあかちゃんしょう」
と書かれたメダルをくれた。不覚にも泣いた。
すぐに「ノーベルこどもしょう」を作って首にかけてあげたら、それまでのドヤ顔から
もじもじテレテレに変身。しばらくずっと部屋の中をヘンな内股で歩いてた。帰宅後、ダンナも涙。
新築だからって時計掛ける用のクギうつのも嫌がってたくせに、速攻でメダル飾る用
クギ穴あけてた。
飾られたメダルたちを朝見た長女、またもじもじテレテレ歩きになってた。
一晩たった今でも、目に入るとちょっと潤んでしまうよ。ありがとう!!

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