これは、私が6歳から現在に至るまでに体験した不思議な話です。
私は6歳の頃、母方の実家で暮らしていました。
その当時は、祖母がすごく厳しい人で、子供ながらのちょっとしたミスを罵声を浴びせながら暴力を加えてくる人でした。
その頃の両親は、共働きでほとんどは祖母と生活をしていました。
私には、2歳上の兄がおり、兄は私が怒られているのを見て学習し、怒られないように生活するのが上手でした。俗にいう「ずる賢い」奴でした(笑)
この家では、子供の起床時間、就寝時間が決まっており、夜20時には就寝し、朝6時起床という決まりでした。
時間が近くなったら、兄と一緒に部屋へ行き、敷布団を用意し就寝する。
ある日の夜中の1時頃だったと思います。兄の叫び声で目が覚めました。
聞いたことのない兄の叫び声で私はびっくりして何があったかを聞いてみました。
兄から聞いた内容は、金縛りに遭い目が覚めて恐る恐る周りを見渡して見たが何もおらず、ホッと安心していたら、、
足元に違和感を感じたそうです。金縛りで動けず何がいるかわからないが、長い髪の感触が足に伝わっていたらしく、怖くて早くいなくなれと心で願いながら時間が過ぎるのを待っていると、、
足に激痛が走り叫び声をあげた。とのことでした。
兄の叫び声を聞き、両親が部屋へ走ってきて、何があったのかと聞いてきました。
兄は、先ほど話した内容を説明し、激痛が走ったという足を確認してみると、、
そこには、人の歯形のようなものがしっかり残っていました。
それを目の当たりし怖くなった私たちはその日は両親の寝室で寝ることにしました。
その出来事があってから数日後。私は夢を見ていました。
その夢では、今住んでいる実家の和室にいる状況で、目の前には俗にいう 「貞子」のような風貌の女性が手に包丁を持った状態で立っていました。
夢の中といえど私は怖くなり、逃げようとしてみるが自分の体だけスローモーションになったかのように重くなり、うまく身動きが取れませんでした。
ここで少し話が飛びますが、なぜこれが夢と認識できているかというと、、
私自身が物心ついた時から、夢の中にいるという認識ができていたからです。
夢の中なら怒られないし自由な生活ができると逆に夢を早く見たいというのもあり、就寝時間が早いことに関してはなにも文句はありませんでした。
夢の中で過ごしている中で、この夢からは覚めたいな。と思った時に
夢の中で目を閉じて、早く覚めろ!と念じたり、わざと〇殺のような行動をとったりすると目が覚めれるといった事が出来ていました。
ここで話を戻します。
その目の前にいる貞子は、動けない私を持っている包丁で滅多刺ししてくるのです。
かといって夢だから痛くないから大丈夫!と高をくくっていたのですが、、
めっちゃ痛いんです。刺される度に激痛でした。夢なので死なないし、怖いし、どうしようと思っていました。
そこで、自分には強制的に目が覚めれる力がある事を思い出し、目を閉じ、早く目覚めろ!と念じると、、
目を開けたときには、現実へ戻っていました。
現実の自分は、すごく汗をかいており、刺されていた部分を見てみると、ひっかいたような跡が色濃く残っていました。
その日は、また同じ夢を見るのが怖いため、寝ずに朝を迎えました。
それから時が過ぎ、私が中学生になった頃にまた夢で「貞子」に会うことになりました。
状況としては、前回とは異なり、実家のすぐ近くの洗車場が舞台となっていました。
見慣れた景色でなんの夢なのだろうかと考えていたところ、20m先に「貞子」
がいることがわかりました。久々に見たそいつは変わらず手には包丁を持っており、やばい。と思った私はとりあえず逃げないと!と思い走り出しました。
ですが、前回と同様で自分だけスローモーションになりうまく走れませんでした。
やばいやばいやばい!と後ろを振り返った時にはもう目の前に「貞子」がいました。
ここからは前回と同じで滅多刺し。しかもちゃんと痛い。ただ、前回と違うところがありました。
その「貞子」が何かをぶつぶつ言いながら滅多刺しをしていました。あの能力を使う前に何を言っているかが気になった私は、聞いてから能力を使おうと思い、滅多刺しされながら耳を凝らし聞いてみるとその内容は、、
「なんでお前なんかが。なんでなんでなんでなんで。」と言っているのが聞こえました。
何のことかは全然わからないが、その状況から抜け出すため、能力を使うことにしました。が、目が覚めない。なぜ?いつもは覚めるのに。なんで覚めない?と混乱している私に「貞子」が、今回は逃がさないよ。と笑いながら言ってきました。
それを聞いた私は、怖くなり混乱し、目を閉じて「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」とひたすら念じました。
目を開けると、現実に戻っていました。
現実の私は前回同様、汗を大量にかいており刺されていた所には、拳くらいの大きさの痣ができていました。
今回はやばかった。次、同じ夢をみたら目が覚めないんだろうな、、と。なぜかそう思いました。
それから、時間が過ぎ現在に至り、結婚をし、子宝にも恵まれ、順風満帆な生活を送っていました。
奥さんは、幼いころから霊感があり、某有名な住職の方に
この子は修行させるべきだ。神様がついているよ。とその当時は言われたそう。
今は、昔ほどの力はないが、多少は力があるようで、私の夢の話をしてみたところ
多分だけど、あなたの後に産まれてくるはずだった子がいるよ。と言われた。
いわゆる「水子」だ。
そんな話は両親から聞いたことなかった。
奥さんの話では、今に至るまで誇れる人生ではなかった。幼いころから毎日怒られて、問題ばかり起こしていた。
それに対して「水子」が憎悪を抱き、度々夢に出てきていたらしい。
中学生で見た夢で言っていた。「なんでお前なんかが」という言葉は
「私ならちゃんと出来るのに。産まれたかったのに。なんでお前なんかが産まれたんだ」と言いたかったのだろう。
すごく申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
今に至るまで、道を踏み外したり、何回も死にかけたりしましたが何とか今の生活があるのは、「水子」がなんやかんや言っても助けてくれていたのかなと奥さんの話を聞いて思いました。
結婚してからも夢の中には「水子」が節々に出てきてはいましたが、害を与えられることはありませんでした。
その当時、両親とは疎遠となっており、この話を聞き両親に確認をとってみることにしました。
すると、実際に私の後に妹になるはずだった「水子」がいたらしく
私の兄弟構成は、2歳上の兄,次男の私,10歳下の弟の男3兄弟です。
母親は女の子が欲しかったらしく、私がお腹に宿り出産するまでは女の子と診断されていたそうですが、男だと分かった時はショックだったそうです。
妹が宿った時は大喜びしたそうで、今度は完璧だと思っていた矢先に、流産してしまい心を病んでいたと話されました。
両親の話を聞き、今までの出来事が全て腑に落ちました。
家を離れてから6年ほど墓参りをしておらず、奥さんに「行かなきゃだめだよ。ちゃんと近況報告してきな!」と背中を押され、行くことにしました。
無事、墓参りを終え、現在に至りますが
今の所、夢の中には「妹」は出てきておりません。
頼りない兄ですが、これからも見守っていてくれるといいなと思います。
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