【山にまつわる怖い話】『ヒダル神』『狐火』など 全5話|洒落怖名作まとめ – 山編【74】

【山にまつわる怖い話】『ヒダル神』『狐火』など 全5話|【74】洒落怖名作 - 短編まとめ 山系

 

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山にまつわる怖い話【74】全5話

 

 

変なのが居る

前の前の職場の同僚だった山本さんの実体験です。

40年前鹿児島の自衛隊に勤務していたころ、同僚一人と休暇で自転車旅行で
山のお堂の床下で野宿をした。 まどろんだら胸に圧迫感があり
まるで人が圧し掛かってきたようです。そこで眼が覚めたらその圧迫も消えたが
同僚も全く同時に同じ経験をしていましたので夢では無い。

「ここには変なのが居る、逃げよう」 と、さっさと移動しました。

それだけです。 後日談も無し。
以上を僕に建設工事の昼休みに語ってくれました。

 

蛇山

じっちゃんから聞いた話。

昔、やたらと蛇が多く「蛇山」と渾名された山があったそうな。
その山に入る者には毒蛇にやられるものが多かったという。

ある時、蛇山に入った猟師が恐ろしい唸り声を聞いた。
声を辿っていくと、藪の中で真っ白な大蛇が、頭を食いちぎられて息絶えていた。
その躯には、至る所に巨大な猛禽の爪痕が残っていたという。
恐ろしさに逃げ帰った猟師が、山で見たことを話すと
村の老人達は
「山の主様が代わった。これで蛇は減るだろう。」
と皆に告げ、その日の内に前代の主である大蛇への供養と
新たな主である猛禽を迎える儀式が行われたという。
その後、蛇の被害は減り、代わりに山には鳥が増えたそうだ。

「その山はよく主が代わるそうでな。白蛇の前は猪、その前は山犬だったそうだ。」
最後にそう語って、爺ちゃんはこの話を締めくくった。

 




 

首切峠

実家から1時間離れたところに「首切峠」ってとこがある。
通称とかじゃなくて実際に標識にも書いてある
名前が名前だけに地元じゃ一応心霊スポット。
でも名前だけが一人歩きしてるような場所で実際は丘?ってくらい小さな峠なんだ
昔は仕事場が近くにあってよく通っていたんだけど、
ある日残業で深夜二時位にその峠を通ることになった。
いつもは夕方六時とか七時位に通る場所だったんで、
いつもとは違う雰囲気にちょっとビビっていた

やっぱ名前も名前だし深夜だしで緊張した
でもさっき言ったとおり小さな峠だからすぐ通り過ぎるからいいやと思った
しかしその日は違った
峠の少し前で工事に引っ掛かった。無人で赤信号になるやつあるじゃん?あれ
んで俺の側が赤信号だったんで待ってた。大抵二分位で変わるはずなのに一向に変わらない
早く帰りたかった俺はこんな時間だし対向車なんてこねぇよと思い、
発進しようとしたそのとき、車のガラスを叩かれた

そこにはサラリーマン風の男がいた。ビックリしたが一応落ち着いたふうに装い、窓を開けた
「なんですか?」と問うと「初対面の人にいうのは失礼だとは思いますが、◯◯◯」
その◯◯◯は聞こえなかった。その瞬間大型トラックが通っていったからだ
俺は肝を冷やした。もしあのまま発進していたらトラックと正面衝突していたかもしれないと
おとこはもういなかった
結局彼が何を言ったのか、そもそも何ものなのか?何一つ分からなかったが
それ以来その道は通れなくなった
仕事を辞めるまで遠回りでも違う道を通るようになった
いまでも「首切峠」は通れない

 

ヒダル神

その人は徳の高いお坊さんか山伏で、修行として山に入っていた。
闇のなかを明かりも持たずに道とは言い難い険しいコースをたどり、途中の塚や社で
祈りを捧げるかなり厳しい修行だったらしい。
ある日、山道の半ばで急に全身の力が抜けたようになり歩けなくなってしまった。
自分の体調が悪くて動けないのではないと感じたので、ともかく持っていたおにぎりを
一口食べたらすぐに脱力感が無くなり動けるようになった。
どうもヒダル神に憑かれたらしい。

別のある日、道に迷わないよう慎重に歩いているのにいつのまにか道を外れてしまった。
体が勝手に動くようで気がついたら塚があったらしい場所に立っていた。
呼ばれたんだなと思い、おにぎりと水を供え祈りを捧げ一礼して立ち去った。
元の道へどう戻るのかわからなかったはずなのに、無事に戻れる気がして歩いていたら
いつもの道に戻れた。

 

狐火

狐火にまつわる話。

ガスが自然発火したもの等と言われていますが、やはりそれだけではないようです。

母が小学生の頃体験したことですから、今からもう30数年前の話。
母の実家はいわゆる山村、よりは多少開けた感じのところで、360度ぐるっと山に囲まれた所でした。
小学校も、山のふもとのような場所にありました。
その当時小学校では、生徒とその家族が校庭でキャンプを行うという行事がありました。学校で一晩明かすわけです。
そして日も沈み、夜も更けてきたころ。

ぽぽぽ、と、学校の裏手の山に火が灯ったそうです。
ぽぽぽ、と列をなして灯っては消え また別の場所にぽぽぽ、と灯る。

「狐火だねぇ」
誰ともなくそう言い出して、みなで山の方を見ていたそうです。
ただ、見えている場所が他の人と必ずしも一致しない。
一人は「ほら、あっち」と指をさしても、母には全く違う場所に火が見える。

不思議な火は何度か出現を繰り返し、やがて見えなくなってしまったそうです。
後にも先にも狐火を見たのはそれっきりだそうですが、やはり不思議なことはあるものだと母は言っておりました。

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