短くて読みやすい怖い話【7】全10話 – 洒落怖 ショートショート

短くて読みやすい怖い話【7】全10話 - 洒落怖 ショートショート 短編

 

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短くて読みやすい怖い話【7】

 

 

□ 1 □

 

子どもの頃、僕は2階建ての借家にすんでいた。
母親も仕事をしていたので、学校から帰っても自分一人のことが多かった。
ある日、夕方遅く学校から帰ってくると、家の中が暗い。
「おかあさ~ん」と呼ぶと、2階からか小さな声で「はあ~い」と
応える声がする。もういっかい呼ぶとまた「はあ~い」。
自分を呼んでいるような気がして、2階へあがる。
階段をあがったところでまた母を呼ぶと、奥の部屋から「はあ~い」と声がする。
奇妙な胸騒ぎと、いっこくも母に会いたいのとで、奥の部屋へゆっくりと
近づいていく。
そのとき、下で玄関を開ける音がする。母親があわただしく買い物袋をさげて
帰ってきた。「しゅんすけ、帰ってる~?」明るい声で僕を呼んでいる。
僕はすっかり元気を取り戻して、階段を駆け下りていく。
そのとき、ふと奥の部屋に目をやる。
奥の部屋のドアがキキキとわずかに動いた。
僕は一瞬、ドアのすきまに奇妙なものを見た。
こっちを見ている白い人間の顔だった。

 

□ 2 □

 

ずっと昔の話。
小学1年の時に祖母が亡くなり、仏壇のある部屋でお坊さんがお経を唱えてた。
すると、お経に合わせて祖母の遺影の口が動いてる…。
その場では遺影がお経を唱えてるなぁ~なんてぼんやりと考えていて、その後の昼食の時にイトコのお兄さんにその事を話した。
意味が伝わらなかったのか、子供の戯言かと思われたのか分からないが「そんな事もあるんじゃない」と言われたもので、私も「そうなんだ」と納得して終了。

その2年後、今度は祖父が亡くなりました。
すると、またお経に合わせて祖父の遺影がパクパク。
しかも仏壇沿いの壁に掛けられていた祖母、曾祖母、曾祖父の遺影までパクパク。
さすがに異様な感じがしたので母にその旨を伝えようとしたが、めちゃめちゃ怒られたのでそこで終了。

それ以来お葬式に行くことがなかったので今はどうなのか分からないけど、妙な体験でした。

 

□ 3 □

 

北九州で聞いたはなし。

深夜2時ごろパソコンの作動音とモニターの明かりで目が覚めた。
眩しいのでモニターの電源を消そうと上体を起こそうとしたら身体が動かない。金縛りだ。

かろうじて動く頭でパソコンの置いてあるデスクをみると、誰か座っている。
「誰だ」と、声をあげようにも声が出ない。
よく見るとデスクに座っている人影はじっとこちらを見つめていた。

怖い。泥棒とかじゃない。ましてや生きてる人間じゃないと思った瞬間、目が覚めた。

寝汗でびっしょりのまま昨夜の事を思い出しパソコンを見るとキーボードとチェアにはべっとりと泥がこびりついていた。

□ 4 □

 

広島県三次市で聞いたはなし。

市の外れの某田舎町で地元の高校生がイヤホンで音楽を聴きながら、すっかり暗くなった道を下校していた。

途中、商店の前に設置してある自販機でジュースを買って帰るのがいつもの癖だ。

この日もいつも通り自販機に立ち寄りいつものジュースを買おうした時、
3台並んだ自販機の影に、補助輪の着いた小さな自転車が置いてあるのが目に止まった。
「前から置いてあったっけ?」一瞬そう思ったが特に気にせずポケットの小銭をまさぐっていると、自分の真後ろに子供が立っているのに気づいた。
振り返らずとも気配と商店の真っ暗なガラスに自販機の明かりで小さな足が写り込んでいたからだ。

そうか、多分この子もジュースを買いに近所からそこの自転車で出て来たのだろうと思い、気にせず自分の分のジュースを買い、帰ろうと振り返るとそこに子供はいなかった。
多少ゾッとしたが気のせいだったと思いそのまま急いで家に帰った。

家に着くと母親から今日の夕方、その商店の角で幼稚園の男の子が自転車で事故にあって亡くなったと聞かされた。

それからその高校生はジュースを買って帰るのと音楽をイヤホンで聴くのを辞めた。

その事故現場となった商店の前を通りかかると必ず、イヤホンから男の子の悲鳴が聞こえる様になったからだそうだ。。

 

□ 5 □

 

姉の友人の話

夜中に元彼(暴力DQN)から「車貸してくんない?」との電話があり、
縁を切った筈だったが恨まれたら嫌なので承諾した。
家に訪ねてきた元彼をチェーン越しに対応すると、
相手は「スコップも貸して」「あと手伝って欲しいから一緒に来て」と言う。
怖いので同行は断って車の鍵とスコップだけ渡し、帰って貰った。
後日、元彼は殺害と死体遺棄で逮捕された。
被害者は元彼がその時付き合ってた女性。

同行していたら共犯になっていたか、口封じに殺されていたか…

 

□ 6 □

 

一人で家にいたら、いきなりインターホンがなった
扉についている穴を覗いても誰もいなかった
覗いてる間もずっと鳴っていて流石に気味が悪くなって
リビングに行こうとしたら「何でなの」と女の子の声が耳元で聞こえた

 

□ 7 □

 

幽霊列車の都市伝説はいくつかあるけど、
終電後に乗客満員の列車が走ってて、
その乗客が全員こちらを見てた(目があった)って話がぞっとした

□ 8 □

 

兵庫県洲本市で聞いたはなし。

深夜に瀬戸大橋を車で四国に向けて走っていると、橋の上の路肩に人が立っているのが見えた。「おいおい、ここは高速道路だぞ危ねえな」と思ったが車でも故障したのかと思って気にも止めなかった。頻発に高速道路を使う人なら分かるがよくある光景だからだ。

そのまま車を走らせていると、前方にまた人が立っていた。「なんだこいつもか」と思った時、さっきと同じ人物だということに気づいた。

その瞬間、その人間は猛ダッシュで路肩からこちらに向かって来た。
「危ない!」
慌てて急ブレーキを踏んだが間に合わなかった。ヘッドライトの灯りの中に人が消えて行くのをハッキリと見たが、車に衝撃はなかった。

もしかして車の下に潜り込んだか?と思い後方の安全を確認しながら路肩に車を止め、その場所を確認しようと様子を伺っていると、後ろから来た車が自分と同じ場所で急ブレーキを踏んだ。

その時、「ああ、さっきのは生きてる人間じゃなかったんだ」と悟った。

 

□ 9 □

 

俺が小学生の頃の話。
俺が住んでいた町に廃墟があった。
2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。
ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、
地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。

ある日、俺は友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。
まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。
そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。
友人と近づいて確認してみると、扉の前に「わたしは このさきの へやに いるよ」と書いてあった。
俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。
歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に「わたしは ひだり に いるよ」と書いてあった。
少し怖くなったけれど、俺と友人はそのまま左に進むことにした。
すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に「あたまは ひだり からだは みぎ」と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。
でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。
部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に「わたしの からだは このしたにいるよ」と書いてあった。
下を見ると、

「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」。

俺は急いで、その部屋の窓から飛び降りて逃げた。
それからはもう、その場所には近づいていない。

 

□ 10 □

 

石川県の加賀市で聞いたはなし。

市の外れに県営団地が立っている。
今から15年ほど前、早朝の新聞配達のバイトの高校生がイヤホンで音楽を聴きながら5階まで駆け上ってくると、
小学校低学年くらい男の子がある部屋の一室のドアを叩いていた。

その部屋は新聞を配達する部屋ではなかったし、こんな早朝にこんな子供が家の外に出されている異常な光景に、高校生はどう関わって良いのか分からず、その子供を無視して配達する部屋に向かった。
戻る時もまだその子供はドアを叩いていた。イヤホンで音楽を聴いていたから、その子がなんて言っているかわからなかったし、そんな子供の声なんて聞きたくもなかった。

その朝、学校に向かう途中、その県営団地の5階の一室を焼く家事があった。
ニュースによると若い夫婦二人の焼死体が上がったそうだ。

ただ、子供の事は何も報道がなかった。

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