短編『百年の恋も冷めた瞬間 – ささいなことで編【1】』全5話

短編『百年の恋も冷めた瞬間 - ささいなことで編【1】』全5話

 

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百年の恋も冷めた瞬間 – ささいなことで編

 

 

ちょっと他の人と違う自分

以前付き合っていた彼は色覚異常者とのこと。それ自体は問題ではない。
だけど、それを初めて聞いたのは、2人で居るときでなく友人数名と居たとき。
彼は青色+ピンク色のチェックのシャツを着てきて、
「自分色盲なんだ。例えばこれ、青一色でしょ?」と友人全体に向かって話し始めた。
「え?青とピンクだよ」という友人の反応を聞いて、
「ええ~知らなかった、そうなの?青だけだと思ってた!」と彼。
でも、「例えば青一色でしょ?」なんて言っておいて、「知らない」なんてありえん。
普段から「ちょっと他の人と違う自分」をアピールしてて、
頭と首のつながり方が普通の人って少しずれてるとか、
指の関節がちょっと曲がってるとか言う人だったけれど、なんだかその白々しさに冷めてしまった。

 

プライド

プライドが高く自分の非を認めるのが嫌いな彼。
ちょこちょこ待ち合わせに遅れるけど、ある日、1時間も遅刻してきて
何事もなくデートを始めようとするので、さすがにこちらも怒った。
すると彼が「えろう、すんまへん」と変な関西弁で謝った。
彼はもちろん関西人ではなく、普段はろくにジョークも言わない。
彼なりに、自分のプライドを傷つけない謝り方だったんだろう。

彼のことが好きでたまらなかったはずなのに、ザーーーーッと音が
するように冷めた。冷めてみると、欠点ばかりが見えて、何でこの人
が好きだったんだろうかと不思議に思ったなぁ。

 

県民性

ちょっと前の冷めた話。
別れた彼氏が県民性を扱った番組なんかで言われる性格を鵜呑みにしていた。
ある時「付き合うなら○○出身の子が良かったんだ~」と言われ、
何で?と聞いたら「だって○○出身の子はのんびり屋なんでしょ?」と言われ、
さらに「お前は○○出身のくせにのんびりしてないよな」
…思わず「は?」と聞き返してしまった。「くせに」って何なんだ。
付き合う前はそんなこと言ってこなかったし、どこ出身かなんてありふれた話題だから
気づかなかった。
関東というか中部地方の大学に通いながら関西なまりなのでよく聞かれてたし…

ちょっと前に流行った血液型の説明書なんかも信じちゃうタイプ。
私以外に対しても「×型なのに~」と何かにつけて血液型の性格と比較していた。
最初のうちはうんちく好きなのかと思ってたがいちいち「○○出身の人は~」だの
「×型の人は~」だのと聞かされて鬱陶しくなって別れた。
人間がみんな県民性や血液型通りの性格してる訳ないって何で分からないんだろう?

 

DV男の素質

自分が親友と楽しい時間を過ごして幸せ気分で彼の家に行き、今日あった楽しい事を話していたら
「そんなの気休めだろ。もっと現実みろよだからお前はダメなんだよ」 などといきなり説教された
(今思えば共依存的な関係を作ろうとする支配的で危険なタイプだった)

AV機器のコードをうっかり踏んでしまった時に「おい!お前踏むなよ!!」とえらい剣幕でどなりつけられたり。
確かに異常がおきたらまずいからその時はすまないと思いつつ、腑に落ちなかった。
他にもやたら神経質で排他的、命令的だな、と感じながらも、一緒に作品作りをしていた仲だったから我慢していた…
しかし、私が実家に帰った際に食材などを少し持って行ってあげようと思い、それを冷蔵庫に入れて
「ごはんさし入れです。美味しいので食べてください」とメモをし、しばらくしてからまた彼の家に行っても
ごちそうさまの言葉一つなく、ありがとうも全く無かった。入れ物も洗ってもいなくて何も言わない。育ちの悪さに猛烈に冷めた。
他人に感謝出来ない人間とは空気すら一緒に吸いたくない。
とどめに、彼の田舎にずっと遠恋している女がいて嘘ついてしょっちゅう会いに帰っていた事。
私は即効、逃げるように別れたのだが「地元の女は病気で、俺がめんどうみないといけないから」など、嘘・言い訳をやたらしてきた。
別れたのにしつこさ極まりなく固執してきて、私の部屋の前まで夜来たたりと半ストーカー状態。
今思えば、やたら怒られたりダメ出しされたりしていて「…やっぱり自分が悪いんじゃないか…」と思い始めてエネルギーが潰されていた。
こういう輩がDV男とかの素質があるんだろうな、と感じて今思うとゾッとする。この男のおかげで、異性との付き合い、だとかに不信感を覚えてしまいました。

 

せっかちすぎる

映画から食事の王道デートだったんだけど、映画始まるまでのCMあれが長い、
まだかまだか、と文句言ってばかりで、この時点でなんだこいつは・・・・・・とおもってたんだけど
終わってエンドロール流れた瞬間、さっと立って「行こう」って
嫌もなにもいえない速さで手を引かれ外に出られた。
その後食事でレストラン入ったら、メニュー開いて少しもしてないのに、「決まった?決まった?」
まだお水も来てない速さでいいますかそれ?
食べてる間は無言でちっとも話してこないし、緊張してんのかなーとおもって食べてると、
じーっとこっちを見てきて、「もう俺食べちゃった」
はい?こっちも早く食べろってこと?とりあえず急いで食べて、
一息ついて飲み物一口のんだら「出よう」つってさっさと会計に行かれた。ゆっくりしゃべりつつ食事とは程遠すぎてザーッと冷め。
そのあとカステラ売ってる店があって、私がカステラ好きなので、
相手に断って買おうとディスプレイみてたら1分もしないうちに「決めないの?」
たまらなくなって「何か急いでるようだけど、何か予定でもあるの?」って聞いたら
「今日はなにもないよ。夜も一緒にいれるけどいる?」だって。
何勘違いしてんのか。そこでも冷めた。

 

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百年の恋も冷めた瞬間
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