『万引騒動』など短編5話 – スカッとする話

スカッとする話【短編 - 傑作選】まとめ - 全5話

 

スポンサーリンク

スカッとする話【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

万引騒動

そういえば中学の頃、同級生に本屋の娘がいたんだが、万引きで警察に突き出された奴らが
「お前の親のせいで希望の高校にいけなくなるかもしれない!お前が責任とれ!」
と本屋の娘をつるし上げるというとんでもない騒動があった。
どう考えても悪いのは万引きしたやつらなのに、その親たちも
「たった千円のことなのに子供の将来を潰す気か!」
「我が子と同じ学校に通っているのに生徒を警察に突き出すなんてその本屋が人でなし。娘がなにかされても仕方がない」
と校長室で大騒ぎしたそうだ。
すると校長、万引きで捕まった生徒たちに向かって
「わかりました。では皆さん、今からA(一番騒ぐ親、飲食店経営)さんのお店にいって好きなだけ無銭飲食してきなさい。
Aさんは自分の子供と同じ学校の生徒なら将来のことを考えて警察にも通報しなし損をしても気にしないそうですよ」と言ってのけたのがいまだに伝説になってる。

 

 

レンタルビデオ屋で

バイト先のレンタルビデオ屋でのこと。

AVコーナーにてビデオの返却作業を行い、レジへ戻ると相方の女の子がオヤジに絡まれてた。

わけを聞くと、2台あるうちの1台で相方がレジ対応してる所にオヤジ登場して反対側の無人レジに並び「早くオレの接客しろ!」と駄々をこねたらしい。

相方は「他のお客様も並んでおりますので、お並びください」と促したが、女の子相手という事でオヤジ強気。

ネチネチと絡んでいた。そこへ男(オレ)がきたことでたじろくオヤジ。

「私が商品陳列で離れていたもので・・お待たせしてしまって申し訳ありません」

と謝ったが、引っ込みつかずに相方にネチネチいい続けてた。

そこで哀れむような視線をオヤジに送ったらキレて

「なんだテメーなめてんのか?表出ろや!」

とか言われたので、エプロンはずしてレジから出たらビクッとなって後ずさり・・・

「もう2度とこねーからなこんな店!」

と捨て台詞を残して帰っていった。

(表出ろっていうから出ようとしたのに・・・orz)

この事件の後に相方に告られ、この夏は結構幸せなオレはGJ!誰がなんと言おうとGJ!

ちなみにオヤジは翌日エロビデオを返却しにきた後も未だに来店しつづけている。

 

病院給食の苦情

病院で栄養士やっております。

病院給食に毎日必ず苦情を言ってくる患者さんが居て、看護師さんが丁寧に聴きとって書面で提出してくれる。

「混ぜご飯の具が少ない」
「ハンバーグはもっと甘辛ソースで」
とか。

でも嗜好に対応する事は現状無理だし、その患者さんだけを特別扱いはできないので患者さん全員にアンケートを取った。

件の患者さんの用紙には「握り寿司。でもどうせ無理でしょ」と書いてあった。

やってやろうじゃないか。

うちの調理師の半分は寿司職人の経歴があるので、そのメンバーの勤務表をやりくりして「その日」に集中。

昼前に一気に握ってもらった。

刺身の予算不足分は、ヅケにする、タレを塗るなど手間暇でカバー。

結果、その日初めてその患者さんからの苦情は無かった。

勿論他の患者さんからの希望メニューも順次実現していく予定。

食養課は病院じゃ裏方だけど、縁の下の力持ちって自負はあるんだぜ。

 

 

パン屋でアルバイト

パン屋でアルバイトしてる。

イートインコーナーがあるので昼時は結構混む。

日曜日のお昼、その混んでる店内でレジ打ってたら、電動車椅子のオジサン(60代くらい?)が列に割り込んできてレジ前に。

「パン取って欲しいんだけど」

「かしこまりました。少々お待ちください。そちらのお客様、トレイお預かりします」

「・・・・」

そのオジサンが店内に入って来た時、レジ前に並んでいた人のレジを全部打ち終えてからオジサンのためにレジ止めてトレイ持って言うとおりにパンを取って会計。

車椅子だからって、順番を優先してもらえると思っちゃいけないよね。

 

 

デタラメ特許

俺は地方の中小企業で働いている。

ある化学処理法Aを考案している最中、顧客の一人から

「うちの近所に発明家Mがいて、その人がAと似たようなアイデアで特許をとったはずだ」

との情報を得た。

早速M氏の元を訪れ、処理法Aについて語りあったところ、M氏は

「Aと非常に良く似た処理法Aで既に特許を出願した」

と一通りの公正証書を見せた。

少なくとも書類上ではM氏の考案したAの方法は、当社が考えていたAよりずっと優秀であった。

処理法Aは当社にとってどうしても必要だったので、この特許権、シミュレーションデータ、成分分析値等をおよそ一千万で買い上げる契約を締結した。

ところが後になってこれらの書類は全く根拠のないデタラメであること、さらには特許出願中てのも真っ赤なウソであることが判明した。

契約違反だから金返せと言っても、

「貴方は俺のアイデアAを買ったんでしょうが」

とまるでお話にならない。

そこでいよいよ人生初の裁判を体験することになった。

会社からはどう考えても負ける要素はないし、俺君の勉強になるからとあえて弁護士を立てずに裁判を起こすことにした。

ところが俺がすっかり油断していて、被告の弁護士に足元をすくわれ、地裁では思いがけず敗訴となってしまった。

すぐに控訴し、高裁ではこちらも弁護士を立てた。

「訴えのポイントさえブレなければ、これは必ず勝てる」

と言ってた通り、高裁では完全勝利。

判決理由には“M氏の詐欺行為”としっかり記載がされ、契約金一千万+年5%の利息、裁判にかかる一切の費用等全てが被告M氏に請求され、すったもんだの末に全額が支払われた。

これで終わればいいものを、一千万+αを一括で払うために多額の借金を背負った怒りか、後にM氏はあることないこと当社の風評を言いふらしていたらしい。

そんなある日、ファミレスに行ったらM氏が商談中と思しき光景に出くわしたので、俺は挨拶に赴いた。

「よお!詐欺師のM氏さん!元気か?もしかしてうちみたいに、また誰か騙そうっての?」

続けて対面の客と思しき人物に、

「気を付けた方がいいですよ。このM氏てのは詐欺師ですから。○○高裁に記録もあります。では」

ポカーンとしている客と、顔真っ赤で今にも血圧上がってブッ倒れそうなM氏の表情が忘れられないw

 

【厳選】スカッとする話 一覧

【傑作選】スカッとする話 一覧

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スッキリ
kaidanstをフォローする

コメント

error: Content is protected !!