『幽霊トンネル』|◆txdQ6Z2C6oシリーズ【7】洒落怖名作まとめ

『幽霊トンネル』|洒落怖名作まとめ【ホラーテラーシリーズ】 ◆txdQ6Z2C6oシリーズ

原作:◆txdQ6Z2C6o

 

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幽霊トンネル|◆txdQ6Z2C6oシリーズ

 

俺は霊感家系ではないけど、たまに幽霊を見る事があった。
中学時代に仲良くなった友人Aは強い霊感家系で、俺の中では幽霊専門の人。
俺とAは高校時代は別の学校に通っていたけど、大学はまた同じ学校に通うことになった。
学部は違ったから、そんなに頻繁に会うってわけじゃなかったけど、高校時代よりは会ってたかな。
自分達の進学した大学は地元組と他県組の半々くらい。
俺の周りの地元組は高校と違って自由な大学生活にのんびりしている様子だった。
他県組はやたら活発といった印象だった。
大学入ってすぐに仲良くなった女友達のCも他県組だった。
自分の地元よりももっと田舎に住んでいたCは、
それなりに遊ぶところがある大学生活が楽しくてしかたなかったみたいだ。
Cはサークルにも入り、大学生活をエンジョイしていた。
夜遊びも結構していて自分はそれだけはちょっと心配してたけど、
授業にはちゃんと出て単位は取っていたので口出しするようなことはしなかった。

 

そんなある日の深夜、Cから電話が掛かってきた。
俺は昔から夜行性なのでその日も日付は余裕で変わっていたけど、普通に起きて本読んでた。
Cは酒が弱いくせに酒が入っているらしくハイテンションだった。
Cが言うにはサークルの先輩二人と同級生一人とドライブに来ているらしい。
自分ははいはい良かったねとCの話を聞いていた。
Cがドライブに来ているところは風が強いらしく「ォォォオオオオオ」という風の音がずっと聞こえてきていて、
Cがいくらハイテンションだっていってもちょっと声が聞き取りにくくはあった。
俺がCに「今お前どこにいるの?有名なデートスポットとか?」と訊くと、
Cは「いや。××トンネルってとこだよ」と答えた。
××トンネルは地元では知らぬもののいない幽霊トンネルだ。
地元のやつは結構痛い目にあっていて、
色々噂も絶えなかったので、地元のやつはよっぽど馬鹿なやつしか行かない場所。
自分はその場で頭を抱えた。
「楽しいんだろうけど、悪いことは言わないから帰ったほうがいいよ?」
と俺が心配して言うと、
「えー?○○も怖いのとか駄目なのか?私が免許取ったら連れてきてあげるよ」と笑っていた。

その間にも「ォォォオオオオ……お゛ぉおぉお゛おおおお……」という音は聞こえてくる。
かなり風が強いようだ。
俺は自分の部屋の窓を開けて、風が吹いているか確認する。
無風だった。
××トンネルが山の中にあるからといって、そんなに気象条件ってのは違うもんだろうか?
一応Cに確認を取ってみる。
「なあ、C。そっち風強い?」
「いや?風なんて吹いてないよ?」
依然として「おぉおお゛おお……お゛おおおお゛おおおぉぉ……」という音は聞こえてくる。
Cはサークルの先輩と話をしながらも俺と話し続けた。
俺はCの声と一緒に謎の音も聞き続けた。
しばらくすると「ああ゛ああ゛ああッ!あ゛あぁああ゛あぁぁあ゛あ゛あッ!」という
もがき苦しむような声も入りだしたけど、通話を切ってしまいのたいのを我慢して、Cの話を聞き続けた。
二つの声はCが通話を切るまでずっと聞こえ続けた。

 

その日の講義にCは寝不足気味だったようだが、ちゃんと出席していた。
それとなく××トンネルのことを聞いても、特に異変のようなものはなかったようだ。
誰も幽霊の類も見なかったらしい。
そのことを後日Aと飯を食べに行った時に話す機会があった。
Aは遊びで心霊スポットに行くような人間が嫌いなので、
俺の話を聞きながら、まずそうにカレーを食べていた。
「お前が入学してすぐに教えてやらないから」とAには俺が悪いというように言われたが、
大学生活に慣れた心霊スポットの噂を知っている先輩も一緒なのだから、俺が教えててもCは面白がって行ったと思う。
それにはAも同意してくれた。
俺はCのことが気がかりだったので、Aに会ってくれないかと聞いてみたけど、嫌だと断られた。
Aは「自分のことで精一杯」だそうだ。
自分もAも昔から面倒見は良くないし、自ら危ないことに首を突っ込まないので、結局その件はそれでおしまい。
その後自分が知る限りCの身に不幸などはなかった。
でもCのサークルのやつらがどうなったか、何もなかったかまでは俺は知らない。

 

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