『屋根の上の影』霊感主婦シリーズ|洒落怖名作まとめ

『屋根の上の影』霊感主婦シリーズ|洒落怖名作まとめ 短編
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屋根の上の影

 

実際彼女は「見ない聞かない答えない!」を信条にしているらしく、
「わたし以外に見えないものは存在しない」を信念に生きてるらしいので、
「師匠のような人間の方がホラーだ。感じる能力をゼロにしたい」と
良く言っております。

 

よって、自分では決してオカルトスポットなどには近づくことは無いのですが
何故か「変な事」に巻き込まれるのが多いのでネタにはつきない。
ただ、彼女の友達の選び方は面白い。
「仲良しでも無いのに霊感あると自称するヤツとオカルト好きを自称するヤツには
近づかないようにしている」とか。
ただ、仲良くなって後にそれらの人間だったりすることは多いとか。
そんな中で出会う奇妙な話は多いそうだが、本人が避けているため、
「洒落にならないほど」怖いことは、最初に書いた夢の話くらいだそうです。
自分の体験を、周囲で話せるのはわたしにだけのようなので、いっぱい聞いている
のですが・・・。(中には笑っちゃうような話もあったり)

□ □ □

小学生の時の話らしいのですが、彼女はクラブ活動で帰りが遅くなり、
冬の夕暮れの中、家路を急いでいたそう。
ようやく自宅が見えたとき、ふともう日が暮れる寸前のぼんやりとした中、
隣の家の屋根の上に影のような、妙なものがいることに気付いた。
何アレ・・・そう思ったそうだ。影のような薄気味悪いもので、人間の形をしたものが
屋根の上で必死で手足を動かして、躍っているように見えたそうである。
咄嗟に「見ちゃだめだ」と思い、家に向かってダッシュしたそう。

その数日後、隣の家は借金で夜逃げした。
大地主で立派なお屋敷だったのに、騙されて土地どころか家まで無くしたそう。
祖先からのつきあいがあるので、我が家には本当に夜中に挨拶に来た。
お嬢さんは不治の病、息子はギャンブルで(結局これが大きな破産の原因らしいが)
本当に、酷い状態だったそう。

それから時は数年たってから。
何の気無しにテレビを見ていた。アニメで「地獄先生ぬ~べ~」を。
怖そうだから見たくないな・・・と思ったときに、画面の中で、家の上で
躍る黒い影の話で、驚いたという。
貧乏神?というか疫病神らしいという話で、それが躍った家には不幸が
訪れるという内容のもの。
「ぎゃー! アタシが見たのこれだああああ!!!」と叫んだ叫び声の方が
家族は怖かったそう。

その時のタイトルも忘れてしまったそうだが、未だにあのアニメの映像と自分の見たものを
思い出すと、ぞおっとすると言う。

□ □ □

これについてはちょっと余談があるのですが。

彼女の住んでいる地域は、伝統的に「犬を飼ってはいけない」地域だそうです。
もともとの村の神社が稲荷神社だかららしく、それを守っている家は、今でも
残っている。(600年前に西の方から落ち延びてきたらしいと聞いた)

だが、件の隣家は犬を二匹(ドーベルマン)飼っており、だから神様の
祟りに触れたという。
さらに、キタキツネの剥製を飾った家は、やはり没落したとか。

今では新しい家も建ち、「新しく入ってきた人にまでこれを押しつけるのはやめよう」
となって、もともとの旧家(といっても、もう7件程度しか残ってない)以外では
普通に犬を飼っているのだが、狐の剥製だけは「やめたほうがいい」と言うそうだ。

疫病神(ぬ~べ~では何て言ってたか忘れたそう)が怖く、二度とぬ~べ~は読めない、
見られないと彼女には非常にトラウマになっている。
それが原因か、犬が原因か・・・彼女に言わせると「いや、やはり原因は借金でしょう」と
現実的なことを言うが、今でも、夕暮れの空は見ても、屋根は見ないようにしているそう。

もし自分の家にいたら、と思うと怖くて仕方がないそうだ。

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