短編『百年の恋も冷めた瞬間 – ささいなことで編【5】』全5話

短編『百年の恋も冷めた瞬間 - ささいなことで編【5】』全5話

 

スポンサーリンク

百年の恋も冷めた瞬間 – ささいなことで編

 

 

あの犯人って

うちの近所の未成年が犯罪で逮捕された時、結構なニュースになった
その子は弟の同級生で全然悪いことする風には見えなかった~と
弟達も驚いてたんだけど、その日に電話をかけてきた当時の彼氏
「ねえ、あの犯人って君の弟と同じ年じゃない?」
「そうなんだよ。弟の同級生でうちにも遊び来たことある」と答えたら
急に大声で
「やっぱりそうだよね!よかった~」といわれた。
一体なに?と思ったら彼氏は電話の向こうで
「母さん、やっぱ○○(私)の弟じゃなかったよ」と報告している。
まさか母親からあの犯人は私の弟じゃないか確かめろっていわれたの?と聞いたら
「うん。ほら、俺の家まともな家系だから~」

そんなことを堂々と相手に言う時点でまともじゃねえんだよ

 

笑いの閾値

遠くに住んでいる元彼が、たまたま近所に来ているというので
久々に会うことになり、一人暮らしの部屋に上げた。

初めは色々な話で盛り上がったが、そのうち
会話もひと段落し、まったりとテレビを見ていた。

その時、バラエティー番組をやっていたのだが
彼が、芸能人が何か言うたびに笑っているのを見て、劇的に冷めた。
別に未練があった訳でも何でもないけど。

本当に、何が面白いの?というような場面で、何度も爆笑していた。
笑いの閾値が低すぎるというか…

「なんか、頭悪そう…」と思ってしまった。

今までは、彼と付き合ってた時間は、まぁまぁ良い思い出だったけど
今は全く思わない

 

もっとメールをしろ!

仕事や私生活が事情によってとても忙しいとき。
彼女にはそのことを伝えてあった。「とても忙しいから連絡や会う回数は減るけど、ごめんね。理解してくれる?」と。
彼女も「分かった」と言ってくれお互い理解していた。そこに、ある意味安心しながらその忙しさをこなしていた。

しかし、ある日メールで彼女が俺に激怒した。
もっとメールをしろ! お前はそんなことすらできないのか!? との口調を荒げて。
冷静になれと言っているのに「お前が悪いんだろ!!」という意味の文章をぶつけてくるだけで冷静にならない相手。
ただでさえ、メールでの会話は誤解を生みやすいんだから冷静になろうと言ってもダメなので、半ば俺も諦めて、全面的に俺が悪かったですということでまとめようとした。

そうしたら
「分かってくれればいいんだけどね・・・。はぁ。こんなことなら、年賀状とか、プレゼントとかも送るんじゃなかった・・・大失敗だ」とのメール。

この一言にサーっと冷めてしまった。
年賀状というのは年末年始の挨拶に出すものだし、そんなものを出し渋るというかそういう風に考える人間の小ささや、考え方が子供すぎる点がどうしても理解できなかった。
連絡が頻繁に出来なかったのは悪いとは思っているが、どうしても理解できなかった俺。

 

重すぎた。

全体重でのしかかってくるような気分になる付き合いだった。

「○子の好きな物でいいよ。俺はなんでもいいよ」
「俺は特に希望はないから○子の好きにしていいよ」
「○子がしたいようにしてくれればいいよ」
「俺は特に予定とかないから、○子のために空けてるし、予定は聞かなくていいよ」
「○子が誘ってくれない休日はやることないし、家でぼーっとしてる」
でも出掛けよう、と言えば「どこでもいいよ」で自分の意見は言わない。
なんでもいいよ、決めていいよ、俺はその通りにするのが幸せだから
気にしないでいいよ、みたいな。

なんていうか、自分の希望とか、他にすることないの?っていうか
俺の人生全部彼女に捧げます、でも決めるのは君ね。よろしく、みたいで
ずっしり重くなってきた。
あまりにもねっとりずっしり重すぎて、別れ話なんかしたら
死ぬとか言い出さないだろうか…ってビクビクしながら付き合ってた。

でもやっぱり耐え切れなくなって別れ話をした。
「あ、そう…。じゃあいいよ」で終わったwwwww
だったらもっと早く言ってればよかったよ!時間返せ!
最後までうっとおしい奴だった。

 

結婚後の話

私は一人暮らし、彼氏は実家暮らし。
ある日、私が「昨日肉じゃが作ったんよー。」と言ったら、
彼氏が、「そういえばうちも昨日肉じゃがだったよ。
父親がいるんだから、もっと豪華なもの作ればいいのに。」
と言い出した。
確かに彼のお父さんは海外出張が多くて、家にあまりいない人らしいから
その言い分も分からなくは無い。
でも作ってもらってる身で、さらに彼女が昨日作ったっていってる料理をけなすのか。。。
と思った瞬間になんかさめた。

他にも、自分たち二人とも司法試験を受験しようって言ってる学生なんだが、
彼氏は自分の母親みたいな専業主婦をやってくれる人が理想だったらしく、
「主婦がいいなぁ。主婦になってよ。」
「少なくとも子どもが小学校までは仕事しないで家にいてよ。」
「その後も5時には家に帰ってね。」
と何回も言われた。
結婚後の話自体はいいとして、司法試験受けるって言ってるのにそれかぁと思った。
自分の両親は共働きだったが、母親はきちんと家事をしてる人で
自分もそういう母親になりたいと思ってたからさらにさめた。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク
百年の恋も冷めた瞬間
kaidanstをフォローする

コメント

error: Content is protected !!