短編『百年の恋も冷めた瞬間 – ささいなことで編【9】』全5話

短編『百年の恋も冷めた瞬間 - ささいなことで編【9】』全5話

 

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百年の恋も冷めた瞬間 – ささいなことで編

 

 

話を聞かない

倍年が離れてるおじさんに好かれていて、たまに食事をしたりして三年くらい経って
私もだんだん好きになりそうになっていた。
そろそろちゃんとお付き合いしてみようか、考え出した頃に電話が掛かってきた。
何だかひどく興奮して怒っている。
彼が今CDショップにいて、私の車が店の前に止まっているのに私がいなくて、
それは自分(彼)が来た事に先に私が気が付き、隠れているんだと喚いている
え?ちょっと?待って?今私家にいますが?
でも確かに車があると言って聞かない。
いやいや、うちの駐車スペースにちゃんとありますが・・・
そんなやりとりを延々と続けさせられて、結局は人違い(当たり前)
で、そんな馬鹿な彼が気持ち悪くて冷めた

 

香ばしい臭い

インフルで寝込んでたつい最近
熱が一気に平熱から40度近くまで上がっちゃって
ふらふらになりながらなんとか着替えて寝込んでそのまま丸一日
流石に汗臭いかな?と思いつつ、お風呂なんか入ったら悪化しかねないので
そろそろ身体でも拭こうかと思った時、同居してる彼氏が一言

『なんか香ばしい臭いがしてるからなんとかしろよ』

いや、昨日一日は本気で朦朧としてて着替えとかそういうの無理だったじゃん
知ってるじゃん!
とか言いそうになったけど、香ばしいって言い方がなんか笑えて力抜けて
ごめんなさいって言った後涙でた
確かに熱あって一日寝てたから汗臭かったろうし、申し訳ないけど…
でも熱有るときなんだかせめて『ニオうよ』的な言い方しないで欲しかった

 

内面が好き

結婚の話も出ていた30代後半の彼氏。
私は美人でもかわいくもないが、外見をほめてくれる。
多分、単に彼の好みの外見だったというだけだとは思うんだけど。
そんなにほめられたことがなかったから、やっぱり女としてすごく嬉しかった。

でもあんまりに外見のことばかりを言うので、ちょっと気になったので言ってみた。
「でも年とったらしわしわのお婆ちゃんになるよ?」
そしたらそれまで笑顔でほめててくれたのに、「え?」って顔してしばらく沈黙した。

結婚の話までしてるのに老後のことも考えてないのかとか、
年取ってシワができたら捨てられるのか?とか、
別に私の内面が好きなわけではないんだなとか、一瞬のうちに色々考えて冷めた。

 

高級な生き物

元カレはいつも自分が優位な立場にいると思ってる人だった。
一緒にいても何かと説教くさいことを言ってくるし、自分に自信満々でいつも意見を押し付けてくる。
そんな彼といることに疲れてきて私の方から振ったんだけど
「お前にだけは振られるとは思わなかった」と言われた。
さらに私がいろいろ理解できない部分があったということを告げると
「お前には俺を理解できなくて当然。俺はお前とは違う。もっと高級な生き物だ」
と言ってきた。

「お前にだけは」って、ということはいつも振られてんだな、あぁやっぱりと思ったし
高級な生き物とかいう言葉に聞いてるこっちが恥ずかしくなった。
別れて正解だと思った。

 

2人で行ってきた

彼女は学生の時から仲の良い
A子 B子 彼女の3人でいつも行動していた

ある日彼女が旅行に行ってきて
写真を見せてもらうとB子しか写っていない
A子は?と聞くと
「B子がA子抜きで行きたいって言うから2人で行ってきた」
とのこと

一瞬で冷めた

 

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百年の恋も冷めた瞬間
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