短編『百年の恋も冷めた瞬間 – 理不尽編【3】』全5話

短編『百年の恋も冷めた瞬間 - 理不尽編【3】』全5話

 

スポンサーリンク

百年の恋も冷めた瞬間 – 理不尽編

 

早く行けよ

ドライブ帰りに家に送ってもらい、雨の日の日付が変わるころに帰宅した際、
車が見えなくなるまで見送るのが礼儀かと思い、玄関先で見送る私。
去り際に限界まで徐行をしながら窓から手を振る彼。
いいから早く行けよ、寒いんだよ、と思いながらにこやかに手を振る私。
一時停止をして、口パクで多分「アイシテルヨ」という彼。
ガタガタ震えながら、ついに顔をゆがめる私。
私が別れを悲しんでいるのかと思ったのか、なんだかうれしそうな彼。

いいから早く行けよ!!!!!と思って急激に醒めた

 

木目調

気になっていた同僚に誘われて
買い物がてらドライブに行った。

同僚の車は古い軽自動車だったんだけど
乗り込んで気付いたのが
ハンドルだけ高そうな木目調のに変えてあった。
実際結構高いものらしい。
こだわりどころがわからなくて冷めてしまった。

 

お好み焼き

大阪出身の彼とお好み焼きを食べに行った。
私が焼こうとしてたらおわんを引ったくって
「みてられん、こうやるんだよ」
すごい手際よかったし、その店は何回も行っていたのに、その時が一番美味しくて
彼の焼き方が良かったんだなあと感動し、納得し、冷めた。

 

メガネ

メガネをかけた男性が好きな時期があって、メガネをかけた人と付き合った。
家族に紹介するから、と連れていかれた家は、
祖母・父・母・兄・妹
みなメガネだった。

冷めた。

 

君の気持ち

その日は朝に祖父が亡くなった
ずっと前から約束してた彼との映画の約束を気にしつつも
病院へ行って親戚で集まってと大忙しの一日だった
夕方頃やっと家に帰ることができ、忘れていってた携帯を見ると
彼からのメールや電話の着信が何回も入ってた
急いで彼に電話すると、どうして連絡くれなかったのかとすごく怒ってた
祖父が亡くなったと伝えたが、彼はすねてしまってて結局納得してもらえなかった
その後、あの日はイライラしてたせいで、おじいさん亡くなった君の気持ちも考えずに
ひどいこと言ってごめんと言ってくれたけど・・・
携帯を忘れて連絡できなかったのは私が悪いけどさすがにちょっとひきました

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク
百年の恋も冷めた瞬間
kaidanstをフォローする

コメント

error: Content is protected !!