『絶縁した私の親に私の情報を売ってた』など短編5話 – ロミオメール体験談

短編5話 - ロミオメール体験談

 

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ロミオメール体験談【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話

 

 

1

夫が絶縁した私の親に私の情報を売ってた
道理で引っ越してもアドレス変えても手紙やメールが届くはずだよ
売ったというか情報リークしてただけだけど
そのせいで不眠や吐き気が止まらなかった
夫はずっとそばについてて慰めてくれたけど
同じく絶縁してたはずの姉がポロっとメールで漏らして分かった
謝ってくれたけど夫が毒親と同じ人種じゃないかと思えて仕方がない
いま別居(夫が前の家に戻ってる)してるけど細切れでこんなメール↓が来る
「○○(私)の苦しみを全部、取り去ってあげたかった
○○の力に、なってあげたかっただけなんだ
○○が、お義父さんやお義母さんと仲直りできれば、それが一番いい、と思ってた
ごめん
○○が嫌なら、もう、そんな事はしない
だから、戻ってきて欲しい
お義父さんやお義母さんのことを嫌うのは、分かる
でも、そのせいで夫婦の仲まで壊すことはない、と思う
固い絆で結ばれている、ということをご両親に示せば、祝福してくれるはず
このまま別れてしまったら、ご両親だって悲しむ、そう思うよ」
こいつ全っっ然分かってない
別れたらあいつらは大喜びして戻ってこいと言うだろうし
真に受けて戻ったらまた奴隷兼サンドバッグ
別れなければ取り込んだ夫を利用できるって理由で喜ぶだけ
もうどうやっても別れる
あいつらの家から出るきっかけを作ってくれた夫には感謝してるけど
夫はあいつらと裏取引したのかも知れない
それでも私を家から出してしまったあいつらに後悔させてやる
そして何年かかってでもあいつらと夫から逃げきってみせる

 

 

2

大学の同級生からロミオメールラインが来た。
おとといの夜
「こん~^^」
「おーい」
「届いてる~?」
用件を言うまで発言しないでいると、
「ちょっと相談いいかな」
「明日飯行かない?」
「つか最近冷たくない?」
「なんで一緒にご飯行ってくれないの」
「未読スルーですか笑」
「(私)さんと飯食って遊びたいなって笑」
「奢ってもらおうと思ってたのに笑 俺金欠なの知ってるっしょ笑」
ここまで数秒間隔で送ってきた。
私は「相談ってご飯のたかり?」とだけ返信して一晩放置。
昨日の朝までに560件も送ってきていた。
要約すると、
「(私)が好きだから同じゼミまで追いかけたのにその態度はなんだ。ビ○チ。先生に股開いて単位もらってるくせに」
ビ○チ以下は事実無根。私は勉強して単位を取っている。
そもそも、ぬくぬく実家暮らしでバイト代全部小遣いになる奴が一人暮らしの私にご飯をたかるんじゃない。
昨日の午前中にトーク画面と日記をゼミの先生に見せて相談したら、その日のうちに学生相談委員会から電話が来た。
彼の罵り言葉がセクハラだということで、私が望めば委員会から彼に厳重注意がいくらしい。
よろしくお願いしますと電話口で頭を下げた。
昨日夜~今朝までに来た彼からのライン
「俺のこと先生にチクったのかよ○ねビ○チ」

「謝るからなかったことにしてほしい」

「(私を褒め讃える言葉を並べて)この件については仲直りして、いい機会だから付き合おうよ。
いい返事待ってる」
あなたと付き合うつもりはありません、全部先生に見せますねとさっき返信しておいた。
彼はもともとサークルの知り合い。
彼は当時ブラックゼミ(週に最低2回は終電まで帰してもらえない『勉強会』の開催など)と有名なゼミに所属していた。
彼は私に「ゼミを抜けたい、他のゼミに行きたい」と相談してきた。
ゆるいゼミを紹介したのに、彼はなぜか私の所属するゼミ(あまり緩くなく、ゼミ生は真面目)にやってきた。
彼は手抜きすぎてガバガバの資料で発表したり、
合宿代を先生に立て替えてもらってそのまま踏み倒そうとしたり、
とにかくヤバい奴だった。
うちのゼミを紹介した覚えはないけど、私の知り合いだから申し訳なくて、
彼の合宿代は私から先生に返し、グループ発表という形にして彼と二人(彼は壇上に棒立ち、全て私が進行)で発表し、
今年の半期は彼の尻拭いで終わった。
もう我慢の限界。うちのゼミからいなくなってほしい。

3

「君が放ったナイフは僕の心臓をえぐり、更に周りの人まで傷つけた。
君はどこまで僕を傷つければ気が済むんだ?
君はどこまで僕を追い込めば気が済むんだ?
僕は十分に償いをしただろう?
そんなに僕が憎いのか?そんなに僕を恨んでいるのか?
君はそんなに醜い人だったのか?
一度は僕を愛したんだろう?
一度でも愛した人をここまで貶めたいのか?
いい加減君は過去を捨てた方がいい。過去に囚われていい事なんて一つもないだろう。
もう憎むのはやめよう。 博愛という言葉の元に。」
元旦那からメールでは無く、友人を介してレターが届きました。
なんか私が悪者みたいになっていますが、浮気をしていたのは元旦那の方。
離婚原因が浮気というのが職場である役所に広まり、更には浮気相手が同じ職場と分かり四面楚歌になっているそう。
自業自得ですよね。こちらは高みの見物をさせて頂くとします。

 

 

4

歌声の留守録が入ってた。
元彼(5年前に別れた同級生)はカラオケで私の方が点数が高かったからとヘソを曲げて、
トイレに立ってそのまま帰宅。
夏休み料金の部屋代・元彼が好き勝手に飲み食いした食事代で数千円の出費。
高校生だった私の財布は全額負担ですっからかん。
後日、
タイトル:メルト -歌い手の俺ver-
本文:とにかく俺に気を遣えという趣旨
「カラオケ料金はお前(私)が全額負担のこと」という項目で完全に冷めて別れた。
曲名不明、以下聞き取れた歌詞
フフフンフフフフフン……フンフフーン(ハミング)
ッうっとぉ…ぉしくて死んでるッ
うろりい…んごっはおすきっですっか…ッ
このケージをッめ(終了)
やたらゆっくり囁くように歌ってたせいでここまでしか入ってなかったし、
……部分は無音で息継ぎ「ッ」がこの上なくキモかった。
メルトではなさそうだ。

 

 

5

20代前半の頃、初めて出来た彼氏(6歳上)と初の海外旅行をした。
洋楽好きの彼が行きたがってた音楽フェスに合わせた旅行だった。絶対楽しいから、
と私も行った。
現地で彼と食事してたら、まだ夕方なのにもう酔ってる男性の集団がお店に来て、
私に何か話しかけてきた。
聞き取れないと思ってるうちに、いきなり抱き付かれて頬にキスされた。
私は思わず日本語で「やめてよ!!」と言って、相手も何か怒ったような言葉を吐いたところで、
近くのテーブルの男性(非番の地元警官だと後で言ってた)や店員が集まって、集団を放り出してくれた。
お礼を言ったが、店員には「あんな客入れてごめんね」と謝られた。
で、一緒にいた彼。
騒ぎの後彼を見たら、彼いなかった。勘定も払わず。
先にホテルに戻ってた。
「何で置いていったの?あんな時に」って怒ったら、無言だった。
喧嘩にもならなかった。
もう旅行の後半だったので、残りの日は別行動し、帰りの飛行機は私だけ便を変えて帰った。
帰国後しばらくして、彼からメールが来た。
「せっかくの旅行だったのに、あんなこと起きて残念だった。
君があの外人に色目を使って、キスしたりしてたのはショックだった。
でも君もある意味被害者みたいなものだったのかもと今は思い直してる。
もう仲直りしてもいいよ」という内容だった。
「結構です。チキン野郎」と返事した。
その後周囲に彼が「海外旅行先で彼女に外国人男と浮気されて別れた」と言いふらしてる、
と人づてに聞いたけど、別に交友関係かぶってないのでスルーした。
その後はメール着拒してるので知らん。
馬鹿だったなーと今では思い出すだけ。

 

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