ロミオメール体験談【短編 – 傑作選】まとめ – 全5話
1
婚約者が浮気して婚約破棄した
式場のキャンセル料は相手持ちで慰謝料ももらった
その元婚約者から
元気かな?
結論から言うと、あそこで結婚式をあげなくて良かったよ
結婚式をあげないくせに金を要求するんだ
○○(結婚式場)があんな強欲な企業だったとはね
レビューサイトとかあれば書き込んだ方がいいかもしれない
だけど両親もすっかり騙されていて支払えと言ってる
どう考えても結婚式をしていないのに支払う道理はない
両親には俺の貯金も取られた (←私への慰謝料だと思われます)
俺は親と縁を切ることにしたよ
駆け落ちしよう
大丈夫、俺達は両親の助けがなくてもやっていける
2
件名は無し。以下本文
壁際に寝返り打って、背中に風を感じる。
やっぱりお前はいなくなったんだな・・・
荷物も金も鞄に詰め込む気配もないぐらい突然のことだったお前の家出。
「行ったきりなら幸せになればいい」なんて、弱いオレには言えない。
ただ「戻る気になればいつでもおいで」
・・・・それしか言えない。
愛というのに照れてたような幼いオレ・・・
そんなオレでも、お前のことは待ってられる。
同棲を始めた途端にモラハラをするようになり改善を求めると、
「お前よりいい女いるしな~(チラッチラッ、だから付き合い続けられるかどうかはお前の態度次第?(チラッチラッ」とのたまった。
その後、友達たちのバックアップのおかげもあり無事にお別れしたのが5年前のこと。
今頃になって連絡を寄越したのが何故かは分からないけど、
結婚を機に当時住んでた所とはだいぶ離れた所に引っ越したので、メアド変えちゃえば問題はないはず。
3
別居した夫からのロミオ?メール(ほぼ原文)
別居当初に弁護士を入れてそちらに連絡と言っておいたのに、ことごとく無視されてました
こちらからの返信は一切してないので、矢印の先はあくまで私の心の声です
別居当初
「いつまで強がってんの。ろくに働いたことねーのにやっていけんの?」
「早く帰ってこんとお前の居場所なくなるぞー」
「女のくせにアカンボの面倒も見れんとか欠陥品じゃん」
「お前と子供作らんくてよかったわー」
→結婚前に夫の転勤があったのでやめてついていっただけでずっと働いてました。
転居先で求職しようとしたけど同居を目論む義母の反対にあったので、水面下で進めてました。
前職では残業も給与も今の夫と大差ない程度でしたが、事務職は仕事と認めないのが敏腕営業()である夫のポリシー()
別居2ヶ月頃
「俺と直接話さんとか弱すぎん?」
「○○とかいうの黙らして」
「お前○○と不倫しとるん?」
→○○さんは弁護士です。アホか。
夫と直接会わないために別居したのですが、理解できないようです。
別居半年頃
「××(夫曰く新人の子)にアプローチされとるわ」
「××超可愛いわ。若いし素直だしたまらん」
「お前のせいで夜の店行く金がかかってしゃーないわ。××に下の世話してもらおうかなーwww」
「お前は母性本能もない鬼だろ。俺以外の引取先ないんだから正直に戻って来い」
→この頃から新人の存在をチラつかせながら戻ってこいと言い、次のメールでまた新人の存在をチラつかせるというひとり遊びを始める。
別居1年(今)
「1年前に俺がやったことは誤りだったんかもしらんな」
「お前の母性本能が目覚めることに期待してたが、荷が重かったか」
「お前の力量を測り損ねた」
「お前を鬼に変えたんは俺のせいなんやろうな・・・」
都度弁護士さんに叱ってもらって慰謝料を倍ドンするぞと言ってもらっているのに、鳥頭なので2ヶ月もすると忘れてしまう
メールを拒否すると怖いタイプなので使ってないアドレスに誘導してそのままにしてるけど、いい加減うざい
俺・お前で統一したけど、ところどころが僕・貴女になってます
実生活では名前を呼び捨てか、お前のどちらかで呼ばれてて、僕も貴女も聞いたことも見たこともない
とても気持ち悪い
4
就職が決まったら、どこから話を聞いたのか父から祝電が来た
「私の天使。私の涙を見ておくれ」
私の両親はずっと家庭内別居状態で父が海外転勤になるタイミングで離婚してる
離婚当時1歳になったばかりだったので父の顔は覚えてない
母が父に対して思うところがあるらしく、父の写真も何もなかった
節目節目に父の赴任国からプレゼントが送られてきてて、手紙も同封されてたけど
母がチェックしてから渡されていたので余計なものは捨てられてたのかもしれない
高校に上がるときに父方の祖母が亡くなり、母同伴で葬式にいって祖父に会った
少しだけ父の話を聞いたら、父はキリスト教徒で洗礼名が「ミカエル」というらしい
母はキリスト教を毛嫌いしてるので、もしかしたらそのことが離婚原因だったのかなって思い至った
成人したときに父がお祝いをしたいと母に交渉したらしく、離婚してから初めて父に会うことになった
海外を飛び回ってるエリートってことで妄想膨らましてたら、実際に来たのは普通のおじさんだった
小さい頃からずっと「ミカエル」って名前から、少女マンガに出てくるような美男子を想像していたけど
まあ私の顔を見たら想像がつくよな~って感じのおじさんw
気のいい人で、私の話や進路を涙ぐみながら聞いてくれて、困ったらいつでも連絡するようにと
名刺を置いていってくれた
母に「悪い人じゃないんだね」って言ったら、あんたも大人だからそろそろ話すけどと前置きされて
父には世界各地に愛人や子供がたくさんいるってとんでもない話を打ち明けられた
敬虔なプロテスタントぶりながら、各地でそういうことばかりしていたらしい
私が生まれてすぐに南半球の子供の母親から援助要求がきて、問い詰めたら発覚したとか
父は「博愛精神だ」と言い張って、世界中の我が子たちにへだたりなく支援しているそうで
おかげで結婚生活は常に逼迫していて、私が生まれる前に夫婦関係は冷め切ってたらしい
しかも父方祖父母も父のしていることを知っていて、それどころか「妻はあんた一人なんだからしっかりしろ」と
かえって母を叱りつけたので、母は母子家庭のほうがマシと離婚を決意したらしい
何も知らないで、脳内「ミカエル」のほうがよかったのかなとか、父に万が一のことがあったら
相続とかどうなるんだ?とそわそわしてる
何が天使じゃクソジジイ、全部の子供に月10ドルの援助って決めてて私の養育費も千円だったって聞いて
腹がよじれるほど笑ってから電報捨てて、留学費用まで出してくれた母への感謝を深めたわ
直接私の携帯に電話しようとして着信拒否されたからって、変な祝電よこすな
5
知人の男性が自分で破談にしておいてロミオになった
この人は44まで恋愛経験もなく生きてきて45間近で婚活開始
私が紹介した9年下の女性がやっと応じてくれたのに、半年付き合い婚約してから「やっぱりもっと若い人がいい」と断ってしまった
しかも理由を馬鹿正直に話したらしくて私の面子丸つぶれ
1年後の先日私に電話が来た
1年前迷惑をかけた私への謝罪と
「彼女は今どうしていますか?できればもう一度取り持って欲しい」
という依頼だった
「もうとっくに別の方と結婚されています。あなたの次に付き合った人と二ヶ月で結婚されました」
とありのままを返しておいた
なぜいつまでも振られた側が前に進めずにいられると思うのか
アラフィフになるとよっぽどお金がない限りは若い子にしたいしたくない以前にガクッと紹介できる数が減る
だからその人で決めておきなさいと言っていたのに
親戚のアラフォーの女性も同じことになった
やっぱり恋愛経験のない子で婚約してから「もっといい人がいそう。ここで決めるのは嫌だ」と破談にしておきながら、三ヶ月後に「もう一度付き合いたい」と連絡が来た
「向こうも色んな相手と並行して婚活をやっているんだから、よっぽどあなたにメリットがないと戻る理由がないの。あなたの結婚相手としてのメリットって何?」
とオブラートに包んで言っておいた。
恋愛経験がないと男女とも自分の市場価値が分からないものなんですね
「相手の条件がどうこう」ばかりで「自分が何を提供できるか」を考える人がいない
付き合いの多い仕事柄何かと紹介を頼まれることが多いんだけど、こんなことばかりでもう二度とやりたくないと思っています
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