お寺や神社にまつわる怖い話【全32話】 – 洒落怖 短編集

お寺や神社にまつわる怖い話【全32話】 - 洒落怖 短編集 短編

野辺送り

京都・化野念仏寺に行った時のこと。
平安期の墓標だった石仏を集めて造られたという
釈迦の説法場面を模した石積みの一角に入ろうとしたら、
一緒に来た友人が「空間がゆがんで見えるから入らない」と言い出した。
その友人は怖がりだし、私には霊感はないので気にもせず
一人で入ってじっくり見てきたけど。

化野って死人をそのままポイ捨てした場所。

江戸時代の投げ込みという埋葬方法を、ただその辺りに適当に捨てておくものと誤解してる人が多いみたい。
いわゆる通夜や葬儀を行わず、僧侶の読経のみで無縁仏用の埋葬スペースに埋める。 (勿論ちゃんと棺に納めたうえで。)
その後の永代供養料も含めた格安料金の埋葬方法を当時は”投げ込み”と呼んだ。
通夜や葬儀といった手順を踏まずにいきなり埋める事から投げ込みと呼んだらしい。

寺の境内や空き地に死体が捨ててあったら、いくら江戸時代でも騒ぎになるだろ?

平安京当時の貴族以外平民は墓を作ってもらえず、野ざらしの風葬が一般でした。
そしてその”野辺送り”の為の野が京都に三カ所あります。
西の化野(アダシノ) 北の蓮台野(レンダイノ) 東の鳥辺野(トリベノ)です。
化野はそのひとつなのです。

化野は、古くから葬送の地で、ここにお寺が建立されたのは約1100年前。
弘法大師が五智山如来寺を開創され、野ざらしとなっていた遺骸を
埋葬したのが始まりと伝えられます。
その後、法然上人の念仏道場となり、化野念仏寺と改められました。

元々は白骨や、死体が累々としていた場所なんだよ。

 

氏神様

バアチャンから聞いた実話。

氏神様の範囲って、学区のように道路一本から向こうは~の神社様って感じになるらしい。
ある町で大火事が起こり、かなりの家が焼け落ちる、という悲劇が起こった。
しかし、その町の氏神様の一つを、そこの人は粗末にしてたんだそうだ。
ところが、もう一つの氏神様は大切にされていて、猛烈な炎がその氏神様のお守りされている地域に道路一本まで迫った途端、氏神様の方向から強風が吹いてきて、炎が押し返されて、その地域は一軒も焼けなかったんだそうだ。
道路一本向こうは、ほぼ全部全焼、という対比に消防の人もしきりに不思議がっていたそうだよ。

 

井戸の神

神社という訳ではないが、うちの実家で数年前に井戸を潰した。
一応篠棒を差して呼吸はできる様にしていたらしいが、二年前に戻った時には
その上を駐車場として利用しているため、どこに有ったのかがわからない様な状況に…

で、色々と有るんですよ、これが。
母方の爺ちゃん、闘病の末没
母親は遺産がらみで実家と血みどろの争い
父親、ニート化で畑耕してる
爺ちゃん脳梗塞で倒れる
婆ちゃん白内障&緑内障発病
俺、半ばニート化w

まぁ、最後のはともかくとしても、何か急に色々と問題が発生してきてしまって…
家の中の井戸の神様ではあるけど、怒らせてしまったのかぁ…と。
八百万の、あらゆる物の中に神様がいる国だからねぇ。

 

旋風

子供の頃、よく行った神社があった。
夕闇が迫る頃まで友達と遊んでいたある日、突然おどろおどろしい
風が吹いて木々がざわめいた。
びっくりした私と友達は悲鳴をあげながらその場を離れた。
『さっさと帰れ!暗くなる前に!』
あの風はそう言いたかったんじゃないかと思った。

だって神社の裏山には防空壕があったから。

 

寒気

私は夜に熱田神宮にお参りした時、ちょっと不思議な体験をしました。

5年くらい前で、季節は夏の終わりだったと思います。
外は夜とはいえまだまだ蒸し暑かったんですけど、鳥居をくぐった途端凄まじい寒気に襲われました。
周りは木が鬱蒼としげっているのでそのせいかと思いましたが、それにしては寒すぎるし、一緒にいた連れは寒くないって言うんです。
ちょっと気味悪かったですけど、まあ気のせいってことにして先に進見ました。
でっかい境内の前まで来ると、他にも参拝者が2人ほどいて少しホッとしてお参りしました。
で、戻ろうとした時、さっきの寒気がなくなってるのに気付きました。
この時は神様が悪い物を取り去ってくれたのかな…なんて良いように解釈しましたが、ホントのところはどうなんだろう…
その後、不幸が起きたとかではないですけど精神的に辛い事が続いたので、実は嫌がられてたのかもなぁ…と。

不動明王

上賀茂神社の境内の片隅に、赤い鳥居がズラリと並んだ一角がある。お稲荷さんだろうか、そうなら相性良いしと思って入っていった。

しかし、着いたのは何ともおぞましい場所。妙に薄暗いうえ風もないのにごうごうと唸り声のようなものが響き、おまけに到底良い存在とは思われない白く冷ややかな霊気がもうもうと立ち上っている。

見れば、よくわからない何柱かの神様の祠があり、お稲荷さんの社殿はその奥にある。
よくは知らない神様に(参拝の作法を間違ったりして)無礼を働いてはいけないと思い、お稲荷さんにだけ手を合わせて早々に退散しようとそこに向かったとき、私は気付いた。ある祠に言い知れない威圧感を感じ、ある程度以上近寄ると体が硬直しかける。祭神の名を見れば「不動明王」だった。(私は幼い頃から不動明王と相性が悪い)

お稲荷さんに手を合わせさっさと上賀茂神社の境内に戻ってきたは良いが、左腕の調子がおかしい。肘より先に全く力が入らない。これはまずいんでは・・・と思い、左腕と付けていたアクセサリーをお手水や奈良の小川ですすいだら治った。恐かったけど治って良かった・・・。
みなさん間違ってもあそこで肝試しなどなさらないように。

 

心地のいい神社

自分の居心地のいい神社、あったなあ。虎ノ門にある某神社。
木に囲まれてるせいもあったろうけど、近くにでかい道路があるのに
神社はいつもすごく静かで空気が澄んでた。もう一回行きたいな。

あと鎌倉の銭洗い弁財天、やばいぐらい金の無い頃お参りに行ったら
しばらくたってから10万ほど実入りがあって本当に感謝した。
お礼に行きたいとおもいつつ1年以上たってしまった。
ごめんなさい弁天様、かならずお礼に…

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