心が温まる話 百選【41話 – 50話】
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No. 41
一時間に一本くらいしか電車が通らない田舎に、5才くらいの子供とその両親が旅行にきていた。
ダイヤの関係で、ある駅で電車が3分ほど止まってた。
お父さんはお母さんと子供を車内に残して、ホームに出て写真を撮り始めた。
すると電車がすぐに出発してしまうと思った子供が、「お父さんが置いてかれちゃう!」って泣き出した。
お母さんがなだめるも、泣き止まない子供。
「お父さん! 早く乗って! 置いてかれちゃう! お父さぃやぁぁぁ!!」
周りの客がそれ見て、優しい子供だなぁとか言って笑ってた。
久しぶりにいいものを見た。
お父さんは置いてかれた。
No. 42
近所にメチャクチャ美味いケーキ屋がある。美味いんだがちょっと高くて、
ケーキの名前がアルファベット、値段がゴシックチックな両方飾り文字で読みにくい
そのケーキ屋に、4~5歳くらいのちょっといない位の美少女が入って来た
大人の自分でも値段の解読にすら時間のかかる値札(ケーキの名前は未だに読めない)
その子も読めなかったみたいでケース前でウロウロした後店員さんに
美「けーきがほしいです。ろっぴゃくはちじゅうえんもってます。どれがかえますか」
って大きい声で聞いた。ちなみに一番安いケーキで620円。選べる範囲は少ない。
店員さんが、どういうケーキが好き?とか誰と食べるの?って聞いたら
美「ママのおたんじょうび!ママにあげる!ママ、チョコレートがすきです!」
ちなみにチョコを使ったケーキは一番安い奴で800円。
店員さんはちょっと待ってねーと言って、奥に引っ込み、奥からクマが出て来た。
クマはこの店の店長でケーキを作ってる人。
熊「ママのおたんじょうびケーキ?」
美「はい!」
熊「おじさんが選んでいい?」
美「ろっぴゃくはちじゅうえんで買えるけーきがいいです」
熊「うん、わかった。じゃあこれにしよう。おじさんが頑張って作ったんだ、美味しいぞー」
美「おじさんけーきつくる人?」
熊「そうです。おじさんがけーきをつくる人です」
美「ママここのケーキ大好き。わたしも好きー」
熊「そうかあ」
熊が選んだのは960円のチョコナンタラ。ママの名前も美少女から聞いて、
誕生日プレート(100円)と蝋燭1束つけて「ろっぴゃくはちじゅうえんです」
美少女がプリキュアの財布から十円玉とか五十円玉じゃらじゃら出して
美「ろっぴゃくはちじゅうえん、あるっておばあちゃんが言ってました。ありますか?」
熊は数える振りして(あったかどうかわからない)
熊「あるよ。お買い上げ、ありがとうございました」
美「けーきえらんでくれて、ありがとうございました。ママにあげます」
熊「気をつけて帰ってね。おうちは近く?」
美「近いよ。たーくんちを曲がってまっすぐです」
熊「そうかあ。また来てねえ」
美「おかね、たまったらくるー」
熊は笑ったら余計強面になる系の人なんだけど、一生懸命笑おうとして鬼瓦みたいな顔になってた
でも美少女は全然怯まず驚きもせず、始終ニコニコ喋ってた
あんなちっちゃいのに丁寧語がしゃべれて、顔かわいくて躾もされててその上気立てもいい子って…
リア充になる為に生まれて来たような子だよ…喪女とは違う世界の人間だよ…
No. 43
洗濯をしていると父の上着のポケットから小さな紙切れが出てきた
なんだ?と思ってみると、
「洗濯ご苦労様」と父の字で書いてあった
三年前に母が亡くなってから洗濯は私が当番になるはずだった
だが、前に一度、ティッシュの取り忘れがあり父に散々叱られ
もう二度と洗濯なんてするか!と意地を張って手伝おうとはしなかった
それから毎日、父は私に変わって洗濯を文句ひとつ言わずせっせとこなしていった
干す時もきちんと手で叩き、畳むときも丁寧に角を揃えた
最近では、腰を悪くした父に変わって洗濯は私がするようになり、
今朝あの紙切れを見つけた
やっぱり父はいくつになっても父なんだなぁと思ったら
不意に涙が溢れてしまいそのままタオルでごしごしと拭いた
お父さん、これからは私が母に変わって洗濯頑張るからね
長生きしてください
No. 44
職場の庭にあるサクランボ、虫がよってこないのか全く実がならなかったんだけど、ある年何気なく指で受粉してみたらサクランボがなるようになったw
そしたら上司が「初めてなった!」と、すごく喜んでしまったのでそれから毎年春になると人目を忍んでこっそり受粉しに行ってること。。
私がしたからじゃないかもしれないけど、もしやめてサクランボがならなかったらと思うとやめれないorz
No. 45
つい先日、俺の祖父が死んだんです。
んで、葬式に同席した俺の5歳になるチビ助が一度も泣かなかったんですわ。
そのことに対して、親族が「えらいね~、よく我慢したね~」と言ったんですが。
チビ助、首をぷるぷると振って。
「ちがうの、おじいちゃんが おとこのこはかんたんに泣いちゃいけない って言ってたの」
・・・・・・・・・・・(。´∀`)ホロリ
親族一同ちょっとじーんときちゃいました。ついこの間までおしめしてたガキンチョがいっぱしの台詞言うわけですよ。
葬式では情けない姿見せた駄目な親父だけど。じいちゃん、貴方の忘れ形見は立派に育て上げて見せますよ(*´∀`)
No. 46
学校の帰り道にババアがカレーパンだけ売ってる店があってな、
どんな味がするのかと思ってたけど貧乏で買えなかったのよ。
揚げてるのを見に行くとババアが「買わないなら帰りな」って、
追い返すんだけど、その日だけ「金なんかねえよバーカ」って
悪態ついて逃げちゃってさ、そしたら翌日、紙袋いっぱいの
カレーパン持ったババアが待ち伏せしてやがってさ
「これ失敗作だからアンタにやるよ」って。
で、さっき、ババアの葬式行ってきた。
No. 47
夫は教師。
クラスに病気で手術を繰り返している生徒がいたんだけど
次に入院することがあれば、もう命が長くないと常々言われてたらしい。
そしてついに、入院せざるを得ない日がやってきた。
夫はその知らせを聞いた日、帰宅したら
2歳の息子を抱きしめておいおい泣いた。ご飯も食べずに泣いてた。
夫の泣くところを初めて見た。
あれから6年たって、こないだの週末。
その元生徒さんがうちに来た。可愛らしい婚約者を連れてた。
彼らが帰った後、夫はもう小学生になってる息子を抱きしめてまたおいおい泣いてた。
息子が嫌がって逃げて、走り回って遊んでる姿を見て、笑いながらまた泣いてた。
No. 48
うちのお父さんも真面目を絵に描いたような感じ。
親に逆らったことのないお父さんは、父親の言うとおり勉強し、父親の言うとおり大学に入り
父親の言うとおり一流企業に就職し、今は母の言われたとおり生活している。
でもそんな父が一つだけ自分で始めた水泳。
真面目な父らしくコツコツ何十年も地道に続けたおかげで、60歳近い歳になっても贅肉一つない逆三角形の綺麗な体してます。
たまに鏡の前でうれしそうにポーズとってる。
普段が無表情なので、見るとちょっとほほえましい。
見られてるの気づくと、慌てて知らん顔するのも面白い。
No. 49
近所にでかい桜があって、うちの土地の前が通り道。
毎年花見帰りの奴らがうちにゴミを捨てていくから、今年からちっちゃいお地蔵さんを置いてみた。
ゴミが綺麗さっぱりなくなった。
子供が拝むからか、何人か外国人観光客が行き帰りに拝んでいた。
週の頭には、誰がしてくれたのか、赤いちゃんちゃんこが着せてあった。
それからは、お願い事の名刺がお地蔵さんの前に置かれるようになった。
とうとう今日は近所のおばあちゃんがお花をお供え。
2000円のお地蔵さんが、俺の知らない間にどんどん出世していっている。
悔しいから、お地蔵さんの待機場所を雨よけのトタン屋根から
木造のインチキお社に改造してやった。
No. 50
地震で揺れた時、寝ているダンナと上の子に向かって
大声で「起きて!地震だよ!」と叫んだら、
抱っこしていた3ヶ月の次男が「イエッサー」と言った。
そっちにびっくりして、ダンナをたたき起こして
「イエッサーって言った!赤ん坊なのにイエッサーって返事した!」
と言ったら、
「今大事なのはそれじゃないだろ」とスルーされた。
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