【妖怪退治の仕事シリーズ】- 妖怪退治の仕事してるけど、何か質問ある?
スクエア
短い話をひとつ。
ちょうど最近都市伝説の話を食堂で聞いたんだけど、なんだかそれがどうしても頭から離れないから
話すわ。
たぶんスクエアってぐぐると出てくる都市伝説なんだけど、ウィキのやつをコピペすると
5人の学生達が雪山へでかけたんだけど、猛吹雪となって学生達は遭難してしまった。
そして途中、5人のうち1人死んだ。
残った4人は吹雪の中、山小屋を見つけ、そこで一夜を過ごすことにした。
しかし、山小屋の中に暖房とかないし「寝たら死ぬー」って考えた4人は寝ないための方法を考えた。
4人が部屋の四隅に1人ずつ座り、最初の1人が壁に手を当てつつ2人目の場所まで歩き2人目の肩を叩く。
1人目は2人目が居た場所に座り、2人目は1人目同様、壁に手を当てつつ3人目の場所まで歩き肩を叩く。
2人目は3人目がいた場所に座り、3人目は4人目を、4人目が1人目の肩を叩くことで一周し、それを繰り返すというもの。
四角い部屋を周ることからこれを「スクエア」と名付けた。
自分の番が来たら寝ずに済むし、次の仲間に回すという使命感で頑張れるという理由から考え出されたものだった。
この方法で学生達は何とか吹雪が止むまで持ちこたえ、無事に下山できたのだった。
しかし仲間の1人が、「この方法だと1人目は2人目の場所へと移動しているので、4人目は2人分移動しないと1人目の肩を叩ける事は在り得ないため
4人では出来ない」と気付く。
話の結末としては、死んだ仲間が5人目として密かに加わり、仲間を助けた、というものである
って感じだ。
この話の落ちはまぁ、死んだ仲間がいつの間にか混ざってた!
って風に語られてるのが、どうも個人的にしっくりこないんだよね。
なぜなら、何度も話しているように、幽霊ってのは物理的なことはあんまりできない。
もちろん、触れられたと勘違いさせることはできるんだけどね
じゃあ、俺が何を言いたいかというと、このスクエアに妖怪が混ざってた!
とかそういうわけでもない。
妖怪はあくまで気ままに生きているので、ぽっと人間がやりだしたことを理解して
急に協力しだすなんてのは筋が通らない。
面白いことをしてるわけでもないし、なんかお願いされたわけでもないのでね。
ならば、この話を俺的に筋が通るように整理すると、こうなる
最初に山に登った時から、6人いたんだよ
つまり、6人で山を登り始めて、途中で一人死ぬ。
そして、5人で山小屋に入って。5人で「スクエア」をする。
しかし、朝になったら
一人消えてるんだよ。
ほかの四人は消えた一人と一緒に来たこととか、存在とかそういうのを忘れて。
これなら、筋が通る。
なぜなら、この現象にはちゃんとした妖怪界隈の名前がついている。
結構有名な名前で「神隠し」だ。
「神隠し」に関しては俺がとやかくいうより、ウィキペディアでみてもらったほうがはやい
まぁ、大体のところはみんながイメージするところとあんま変わんないしね。
人かひゅっと消えたりするのが「神隠し」だってのは有名だからね。
でも、あまり有名じゃないのは「神隠し」にあった場合、周りの人間がその人の存在をしばらく
忘れてしまうこともある。
例えばだけど、子供たちが遊んでいて、いつの間にか一人消えて
そんで、帰ってきた後に、大人たちが一人消えていることに気が付く。
この場合、子供たちは大人たちに言われるまで、自分たちの友人の存在を忘れていたことになる。
これがもっとひどい場合、大人たちすら忘れてしまい、そのうちひょっとした拍子
まぁ、家族写真をみたり、その子の持ち物をみたりして「あれ?いない?」
と気が付く。
だから、とは言わないけど。
たまには自分のアルバムとか、携帯の写真とかを覗いて、確認したほうがいいかもね。
もしかしたら、いつの間にか自分の大切な人のことを忘れてしまっているかもね。
妖怪退治の仕事シリーズ
1 太平洋側の島の話2 うちのじいちゃんの小さい頃の話3 止められていた4 相談者の姉 – 先生との出会い5 先生とマレーシアに行った6 初めての一人仕事7 倀8 先生の話 その19 先生の話 その210 鬼隠し11 先生の話 その312 初めて先生と仕事した時の話13 先生の話 その414 スクエア15 禁山16 先生の話 その5
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