短編『百年の恋も冷めた瞬間 – ささいなことで編【2】』全5話

短編『百年の恋も冷めた瞬間 - ささいなことで編【2】』全5話

 

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百年の恋も冷めた瞬間 – ささいなことで編

 

 

一曲弾いてやるよ

「俺はピアノがむちゃくちゃ上手い。小学生の頃は天才児と言われていた。」
「大学そっち(音楽系)進まなかったから周りの人皆惜しがってた」
と、いつも自慢していた元彼。

私の部屋にのだめが置いてあっただけで
「マンガ読んだだけでクラシックわかった気になってるバカ」扱いし、
お気に入りのCDを流すと
「ちょっと待って、今のとこ」とCDを止めて
「ほらここミスタッチ。ひでー演奏だな」
と何回もその部分を繰り返し再生して聴かせてきたりした。

ある時彼と共通の友達の家に大人数でお邪魔したとき
「一曲弾いてやるよ」
と誰に頼まれるわけでなくその家のピアノを弾き始めた。
ショパンの『子犬のワルツ』、超高速ぐっちゃぐちゃ演奏・・・。
しかもノリノリ・・・というのか(?)
体をぐにゃんぐにゃんと激しくくねらせていた。

冷めた、というよりその時はただひたすら恥ずかしかった・・・。

「おまえも何か弾いてみろよ」と言われて断ったのですが
あの時の「俺様の華麗な演奏の後じゃ恥ずかしくて何も弾けないよなw」
の顔が忘れられません・・・。

 

約束を平気で破る

「2月の9~10日に旅行に行こう」と、同じバイト先の彼氏と約束していて、
そろそろ私が旅館を予約しようと思っていた。
なのにさっきバイト行ったら、
9~10日のシフトがまだ埋まってないから、という理由で
彼がシフトの空欄に自身の名前を書いていた。
9~10日は2人揃って休みを貰うと予め店に伝えていたし、
代わりはいくらでもいるのに、
なぜ約束を平気で破るの?と思った。
彼は「他の日に行けばいい」と言うが、他の日は休めない。
結局、私が店長に頼んで2人共休みを貰う事になったが、
彼は私をナメているんだと確信した。
隆太郎、お前の事だ。

 

必死な表情

大学生の頃に一回り年上の女性と付き合っていた。
卒業が間近に迫った頃「○○君が卒業したら結婚しよ」と言われた。俺も勿論そのうち結婚したいとは思っていたけれど、それは仕事に慣れて生活が安定してからだと考えていたのでまだ早いと答えた。
でも彼女は必死な表情でしつこく食い下がる。当時は必死な表情が怖くて逃げ出したけど、今考えると結構酷い事をしたんじゃないかと思った

 

ポイ捨て

ゴミをポイっとしたのを見た瞬間、どんなに素敵な人でも氷点下まで冷める。
道端や駅のホームなどで、ポイ捨てしてる所を見るたび
「この人とは絶対ないな…」って毎回思う。

 

初デートについてのメール

もう5年ほど前の話だが、
好きな人と付き合い、初デートについてメールで話あってたのだが、

「服何着ていこう?B系がいい?
シルバーのアクセはね、5000円くらいでナンチャラカンチャラ」
というメールで冷めた。

なんてことない事なのだが、言い方悪いけどなんかすごい気持ち悪かった。
気を使ってくれてるのも分かるし、
相手も初デートってことに配慮してくれてるのも分かるが、
異性に理想を抱きすぎていたためか冷めてしまった。

熱が戻る事無くすぐに別れてしまい、今でも申し訳なかったと思う。

必死に色んな服を並べてみたり、
この服あの服アクセは何つけよう
とか試行錯誤してる元彼を想像すると
もうダメだった。

 

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百年の恋も冷めた瞬間
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